29年度予算可決し閉会、土地区画整理事業の業務委託変更で38億円増に/大船渡市議会

▲ 29年度予算などを可決し、3月定例会が閉会=大船渡市議会

 大船渡市議会3月定例会は16日、最終本会議を開いた。議長を除く全議員で構成する予算審査特別委員会(今野善信委員長)に付託した平成29年度予算案など、市当局からの追加提案分を含む議案41件、報告2件を原案通り可決、承認し、閉会した。新年度の一般会計と9特別会計の合計額は555億6200万円で、一般会計は421億7900万円。追加議案のうち、大船渡駅周辺地区土地区画整理事業等業務委託変更協定の締結では、事業実施体制の強化などに伴って38億4198万円を増額し、総額を143億9163万円とした。


 全議員が出席。今野委員長は、一般会計と9特別会計、水道事業会計の各予算案について、いずれも原案通り可決すべきとの審査結果を報告。採決でも、水道事業会計は多数で、そのほか10の会計は全員賛成で可決した。
 最終日に当局から追加提案されたのは、議案8件と報告2件。このうち、大船渡都市計画事業大船渡駅周辺地区土地区画整理事業等業務委託変更協定の締結は、委託契約金額を38億4198万円増額し、総額を143億9163万円とするもの。
 大船渡町の大船渡駅周辺地区では、市と独立行政法人都市再生機構(UR)が事業協定を締結し、土地区画整理事業を推進。本年度に入って工事の全体状況が把握できるようになり、予定の30年度末までに完成する見通しがついてきたことから資金の変更を行うこととした。
 土地区画整理事業分は29億2388万円、同駅周辺地区既設構造物等撤去事業分は9億1810万円、それぞれ増額。各事業で物価高騰、事業実施体制の強化、その他工事変更にかかる分が増額となった。
 土地区画整理事業には、設計から施工管理、資金計画を含む総合的な建設管理を行うCM(コンストラクションマネジメント)方式を導入。東急・東洋・植木・日本測地・CPC大船渡市大船渡駅周辺地区震災復興事業共同企業体(東急JV)がCMR(コンストラクションマネージャー)として、URの委託を受けてプロジェクトの全般を運営管理している。事業実施体制の強化は、30年度内に工事を完了させるために必要となったもので、事業全体の総合調整担当などの人員を増員する。
 また、大船渡駅周辺地区に関連する下水道整備事業業務委託変更協定の締結は、5億214万円を増額し、総額を16億6253万円とするもの。こちらも事業実施体制の強化や物価高騰、工事変更にかかる分としてそれぞれ増額とした。
 この2議案には、8議員が質問。事業体制強化の詳細や増額分の財源の内訳などが尋ねられたほか、増額理由やCM方式の仕組みを分かりやすく市民に説明するよう求める声もあった。
 市民説明に対し、戸田公明市長は「市では、CMという手法を用いるのは初めてだと思う。今後機会をとらえ、できるだけ早い時期に市民に知らせるようにする」と述べた。
 本年度一般会計補正予算(第6号)は、国の第2次補正予算に計上された地方創生拠点整備交付金にかかる経費の補正と繰越明許費の追加を行うもの。歳入歳出に各1億1621万円を加え、総額を530億2781万円とする。
 主な歳出は、総合交流ターミナル施設機能強化事業6340万円、碁石海岸レストハウス機能強化事業5281万円。総合交流ターミナル施設は末崎町の「世界の椿館・碁石」で、温室の開閉装置と遮光カーテンの修理、ツバキ苗などを管理するためのバックヤード(面積約150㍍)の増築を行う。
 レストハウスは、浜の仕事を体験できる部屋と倉庫の増築、テラスの改修、身障者用スロープの増設、多機能トイレの設置改修などを計画する。
 (仮称)共同利用コンテナ用上屋新築工事の請負変更契約の締結は、1847万円を増額し、総額は3億4571万円。建物基礎部の工事で地下水の影響を受けず、作業員の安全性を確保するために必要な措置を図り、鉄骨工でより防せい性の高い塗装に見直すことなどによるもの。増額分も、日本財団からの支援金でまかなわれる。