集落機能維持にも力点、第6次農業基本計画案まとめる/住田

▲ 川口、竹ノ原の住民を対象とした座談会=世田米・川口公民館

 住田町は平成36年度を目標年度とする第6次農業基本計画案をまとめ、14~17日に開催した集落座談会などの場で住民に概要を示した。この15年間で農業人口は大きく減少し、経営体の小規模化が進む中、計画では産業振興だけでなく、生活を支える集落機能や農地の多面的機能の維持も重視。担い手や集落営農の可能性を広げるなどして一定の収入を得る仕事としての農業を推進するほか、小規模農業の実情に合った農商工連携にも取り組み、農業者や各種組織が意欲的に行動できる持続可能な環境づくりを進める。

 

農業者減、小規模化踏まえ

 

 今計画は、昨年3月に策定した住田町人口ビジョン・町総合戦略・町総合計画に基づいている。町の農業はこれまで、米や園芸、畜産などを組み合わせた集約的複合経営形態を特色とし、基幹産業として町勢発展に大きく寄与してきた。
 近年は農業者の高齢化や後継者不足、農業者の減少、耕作放棄地の増加が進行。生産のみならず、農地維持にも影響が出ている。
 第6次計画案の中では、平成15年度からの第5次計画を総括。従来の個別完結型の農業経営から効率的な農業生産を行う集落営農に向けた取り組みを進めたが、農業者の高齢化や後継者不足などを受け、なかなか進まなかったと総括している。
 今後も厳しい情勢が予想されるが、狭あいな土地の中でも一定の収入を得る仕事としての農業推進が求められる。また、遊休地増加の課題にも直面しており、農地保全や有効活用を図りながら集落機能維持を進める必要性も挙げる。
 町内における農家人口(農家を構成する家族の総数)は昭和55年には6000人を超えていたが、平成27年は1267人と、5分の1に減った。22年からの5年間だけを見ても530人減少した。
 経営規模別の農家数は、12年には1㌶以上の農家が100を超えていたが、15年後の27年には半減。その一方で0・3㌶未満の「自給的農家」は386戸で、57戸増加した。「生活していく農業から自給の農業への移行」が浮かび上がる。
 一方、酪農や肉牛生産農家は、数は減少しているものの安定した経営を維持。養豚は企業経営中心で、養鶏では加工会社の直営農場による生産規模の拡大が進む。
 第6次内の目標では、農業所得330万円を掲げる。総合戦略での町民所得目標255・3万円をもとに、各経営体平均人数1・3人を乗じて算出。認定農業者は27年よりも9人少ない55人とするが、各地域の振興会組織には複数いる形を目指す。
 新規就農は、年間1人以上が目標。農用地面積は27年度比85%の479㌶とし、優良農地の確保に力を入れる。農用地集積は136㌶を目指し、担い手や集落組織などによる営農促進を目指す。
 推進方策では▽担い手農業者育成と中心的経営体確保▽集落機能維持と農地の多面的機能維持▽農商工連携及び地域特産品を活用した商品開発、安全安心の農業と地産地消の推進──を柱とする。
 集落機能保持では、各地域ごとの農林業振興会活動への支援を掲げるほか、集落営農にも取り組み、中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払交付金を活用。鳥獣害等防止対策には第5次にはなかったサル、イノシシ対応の検討を盛り込んだ。
 モデル営農類型では野菜専作や酪農、肉牛、ブロイラーの畜産経営に加え「イチゴ、キュウリなどの高収益作物と水稲の複合経営」も掲げる。小規模農地では水稲分の収入がマイナスになる場合もあるが、農地有効利用や耕作放棄地解消といった観点も考慮した。
 農業規模の小規模化が進む半面、ズッキーニや飼料米など生産面積が増加している作物も。小規模生産農家がつくっている野菜などを町内の飲食店や給食施設が的確に把握できるよう、情報共有や供給システムづくりなども進める。
 集落座談会は14、16、17日に行われ、計18カ所で開いた。計画は月内に策定。期間は36年度までで、31年度に見直すとしている。