湾口防完成で看板下ろす、釜石港湾事務所・大船渡港出張所で閉所式(別写真あり)
平成29年3月30日付 1面
大船渡港湾口防波堤の復旧工事完了を受け、国土交通省東北地方整備局釜石港湾事務所(小澤敬二所長)が、大船渡市赤崎町字諏訪前に設置していた大船渡港出張所(鳥畑孝志所長)で29日、閉所式が行われた。関係者は防災の要所再構築への尽力をねぎらい合いながら、早期復興への願いも新たにした。
昭和35年のチリ地震津波後、防潮堤などとの組み合わせで港や市街地の津波被害を防ごうと設けられた湾口防。平成23年の東日本大震災津波で倒壊し、24年7月から復旧工事が行われた。施設高は、震災前の倍以上の11・3㍍で、海底部には防波堤内外の海水交換を促す通水管も設けるなどし、今月19日に完成した。
地元での事業推進の拠点となってきた出張所は、近くの栗村建設㈱(栗村安弘社長)が所有する建物を借りて24年4月1日に開所。完成を受けて今月いっぱいで閉所することとなった。
閉所式は出張所玄関前で開かれ、職員、湾口防施工業者、市、市漁協などの関係者約30人が出席。小澤釜石港湾事務所長は「多くの方のご理解ご協力をたまわり、復旧事業の拠点として地域の復旧・復興とともに歩んでくることができた。地域の復興の一層の進展を心から祈念している」とあいさつした。
戸田公明市長、岩脇洋一市漁協組合長、施工業者でつくる大船渡港安全衛生等推進協議会の後藤勝彦会長=若築建設㈱東北支店岩手作業所統括所長=は、それぞれの立場から完成までの道のりを振り返り、防災機能の発揮と復興の進展に期待を寄せた。
このあと、小澤釜石港湾事務所長と鳥畑出張所長が、玄関に掲げられた木製の看板を取り外した。
昨年赴任し、総仕上げの時期を担ってきた鳥畑所長は、「この1年でしっかり完了させると、常に胸に思いながら臨んできた。別の任地でも大船渡の発展を祈念しながら務めていきたい」と話していた。