「大感謝」の思い込めて、閉鎖前に最終セール/おおふなと夢商店街

▲ 閉鎖を前に各店舗で最後の大感謝セールを実施中=おおふなと夢商店街

 大船渡市大船渡町の仮設商店街「おおふなと夢商店街」による「最後の大感謝セール」は4月2日(日)まで、各店舗で行われている。同月末の仮設店舗閉鎖を前にした最終セールとなり、それぞれの店ではオープンからこれまでの利用へ感謝を込めたサービスを展開。商店街には地域住民らが訪れ、東日本大震災後の暮らしを支えてきた仮設店舗での買い物を楽しんでいる。
 同商店街は、震災前にJR大船渡駅周辺で店を構えていた商店主らが同商店街協同組合(伊東修理事長)を結成し、平成23年の12月にオープン。中小企業基盤整備機構が同駅西側に整備した無償貸与施設を活用し、営業を行ってきた。
 当初、市の貸与期間に合わせて今月末で閉鎖となる予定だったが、同駅周辺地区における新商業エリアの施設整備完了に合わせ、4月末に延長。ただし、新店舗への移転作業などを控えて今月末には閉店するところもあることから、最後のセールを企画した。
 各店では、割引や特別価格の商品、粗品などを用意し、買い物客らを歓迎。春休み中もあって、商店街には子どもから高齢者まで世代を超えた人々が集い、お目当ての店で買い物を満喫した。
 このうち、昨年末に地の森八軒街から移転し、来月には同組合の新商業施設に入居する「手芸・ホビーのとりい」には、常連客らが店主の鳥居律子さん(70)と会話を楽しみながら買い物をした。鳥居さんは感謝の思いを抱きながら、「常連さんに支えられ、やめられると困ると言われて新しい店に移る。これから忙しい日が続きますね」と話した。
 キャッセン大船渡のキャッセン・モール&パティオに出店する「鮮魚うえの」の店主・上野英明さん(66)は「感謝の気持ちでいっぱい。本当に皆さんにはお世話になった。新しい店でも頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。
 同町から買い物に訪れた女性(79)は、「夢商店街はずっと利用させてもらっており、セールと聞いて買い物に来た。ありがとうセールだけど、私たちも商店街の皆さんに〝ありがとう〟と感謝している」と名残惜しそうな表情を浮かべた。
 商店街事務局によると、営業中の店舗のうち、10店舗は同組合、8店舗はキャッセン大船渡が整備する新商業施設へそれぞれ移転し、4月29日(土)に開業予定。そのほかの店も自力再建などで継続する見通しという。いずれの店も来月中旬までには営業を終え、仮設店舗をあとにする。
 伊東理事長(64)は「オープンから5年と5カ月、本当にありがとうございましたの気持ちでいっぱい。最後のセールと聞いて、ずいぶん人が来ている印象を受ける。新しい商店街も、こうして人々が歩いてくれるようになってくれれば。それぞれの新たな店に足を運んでもらいたい」と話していた。