減少続ける気仙の児童生徒数、小学校新入生は4校が10人割る

 気仙3市町の小中学校は10日までに入学式を終え、平成29年度の学校生活に入った。本年度当初における3市町全体の児童生徒数は、小学生が2458人、中学生が1471人で、合計3929人。近年の推移をみると、3市町の児童生徒の合計数は5年前から2割近く減少しており、深刻的な少子化の進行が表れている。

 

少子化の進行 深刻に

5年前から2割減

 

 各市町の教育委員会によると、市町別における本年度の児童生徒数は、大船渡市が小学生1510人、中学生872人で、合計2382人。陸前高田市は小学生749人、中学生489人の合計1238人、住田町は小学生199人、中学生110人の309人となっている。
 24年度からの児童生徒数の推移(別表参照)をみると、陸前高田市の中学生で26年度、住田町の中学生で25、27年度に前年を上回ったが、それ以外のすべての年度と市町で児童生徒数の減少が続いている。本年度と24年度の児童生徒数を比べると、大船渡市は18・1%減、陸前高田市は22・3%減、住田町は22・0%減。3市町全体では19・8%減、実数にすると968人も少なくなっている。
 本年度入学した小学1年生の人数は、大船渡市が250人、陸前高田市が108人、住田町が29人で、合計387人。学校別でみると、最も多いのは猪川(大船渡市)の50人で、最少は矢作(陸前高田市)の3人。
 10人を割った学校は、矢作のほか、気仙(同)7人、横田(同)9人、有住(住田町)9人の4校。2学級以上の編成は猪川のみで、そのほかの学校は全て1学級となっている。
 中学1年生の人数は、大船渡市が286人、陸前高田市が146人、住田が35人で、合計は467人。最多は第一(大船渡市)の113人、最少は日頃市(同)の12人。10人を割った学校はなかったが、同校を含む6校が20人未満となっている。
 小学校の全校児童数をみると、最も多いのは猪川の313人で、最も少ないのは矢作の40人。複式学級編成をとっているのは有住の4・5学年のみで、気仙両市では複式学級の措置が必要な学校は、復興加配などの制度を活用して1学年1学級を維持している。
 児童生徒数の減少は年々深刻化しており、小規模校では学校行事や部活動、教員配置などに影響が及ぶケースも見受けられる。
 大船渡市と陸前高田市では、適正規模化に向けた計画を策定し、学校の統廃合やそれに向けた協議なども進む。
 ただし、統廃合に関しては学校と地域コミュニティーとの関係性も深く、PTAや地域住民が子どもたちの現状を十分理解したうえで話し合いを進めていくことが求められる。