広田町に「中沢浜貝塚歴史防災公園」完成、23日にイベントも実施/陸前高田(別写真あり)

▲ 3月下旬に完成した中沢浜貝塚歴史防災公園=広田町

 地区住民の意見を反映しながら整備されていた、陸前高田市広田町の「中沢浜貝塚歴史防災公園」がこのほど完成した。園内には貝塚についての解説板や津波記念碑があり、防災機能を備えた「あずまや」やベンチも設けられている。市教育委員会生涯学習課は、23日(日)に同園でクイズラリーを開催。園内をめぐりながらクイズや勾玉(まがたま)づくりを楽しみ、施設と貝塚について理解を深めることができるイベントとしており、誰でも参加できる。
 中沢浜貝塚は、広田半島先端部の大森山西側に広がる丘陵地にあり、面積は約1・8㌶。縄文時代と弥生時代の土器や石器、骨角器などとともに、大量の貝殻や魚骨が出土し、昭和9年に国の史跡として指定された。平成9年には20歳くらいの女性と赤ん坊の人骨も見つかり、当時の暮らしを解明する手がかりとなっている。
 市は東日本大震災後、「歴史・文化遺産を活用した復興計画」を策定。同貝塚は震災で甚大な被害を受けた泊漁港に近い高台部でもあることから、学習の場としてだけではなく、災害時の緊急避難先として位置づけた。25年から26年にかけては地域住民とのワークショップを3回にわたって実施し、「歴史防災公園」のあり方や活用法を探った。
 公園としての整備は今年3月に完了。泊漁港側には津波避難路となる階段が設置され、広場には災害発生時にはテントともなるあずまや、かまどとして使えるベンチなどを設けた。
 また、階段のステップと手すりには、チリ地震津波(2・98㍍)や明治三陸地震津波(13・63㍍)など、同地区を襲った四つの津波高相当部分に、その高さを示すプレートが掲示されており、津波の脅威も伝える。
 市教委は公園の完成を記念し、23日午前10時から同園でイベントを実施。園内に掲示された問題に答えていくクイズラリーで、得点によって異なる石材を手に入れ、縄文人が身につけていた「勾玉」のアクセサリーを作ることができる。
 参加は午後2時までの開催時間中、随時受け付ける。
 家族やグループ単位での参加も可能で、事前申し込み不要。会場に筆記具や回答用紙も用意する。勾玉作りにかかる時間は、小さいもので1時間ほどだという。
 荒天の場合は中止。問い合わせは生涯学習課(℡54・2111内線261、262)まで。