魅力ぎっしり洞くつカレー、滝観洞観光セで29日から提供/住田町(別写真あり)

▲ 試行錯誤を重ねて開発した「洞くつカレー」=滝観洞観光センター

 住田町上有住の滝観洞観光センター食堂は、大型連休に入る29日(土)から新メニュー「洞くつカレー」の提供を始める。半球状に盛られた雑穀米の中には住田特産・ありすポークのブロック煮が潜み、食べ進める楽しさと地元産のおいしさを詰め込んだ。同センターでは名物「滝流しそば」に並ぶ定番メニューとしての成長や、三陸ジオパークにちなんだPR充実などに期待を込める。

 

雑穀米の中には、ありすポークのブロック煮が潜む=同

雑穀米の中には、ありすポークのブロック煮が潜む=同

奥に潜んでいるのは…

 

 全長3635㍍、高低差115㍍にも及び、古生代石炭紀の石灰岩の中にできた国内屈指の鍾乳洞を誇る滝観洞。観光洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。
 滝観洞の食にちなんだメニューといえば、竹筒から流れ落ちる「滝流しそば」が有名。しかし、例年11~4月ごろまでは対応しておらず、通年で提供できる名物メニューの開発が求められていた。
 また、平成25年9月に日本ジオパークに認定された三陸ジオパークのジオサイトの一つには、滝観洞も含まれている。ジオパークを生かした観光充実につながる取り組みも模索していた。
 町観光協会が28年度に開催した「住田町観光プラットフォーム」で行われた議論の中で、洞くつカレー開発のアイデアが浮上。今年に入り、プラットフォーム事業に参加していた同センター職員の高橋サチ子さん(63)と堀内忠洋さん(28)らが、同協会と連携しながら開発を進めてきた。
 調理では数時間煮込み、型崩れしないギリギリの柔らかさに仕上げたありすポークのブロック煮を、半球状の雑穀米で包み込む。食べ進めるとゴロリとした肉に出合える一皿で、洞部を巡り「天の岩戸の滝」にたどり着くワクワク感などを表現した。
 具材のニンジンやジャガイモは、洞内に実際に潜むコウモリをかたどる。アイデア勝負だけでなく、カレールーは地元産の野菜などとともに長時間煮込むなど、こだわりが光る。
 堀内さんらは「パッとみたらシンプルだが、雑穀米の中には期待以上の大きさのブロック肉がある。子どもから高齢者まで、幅広い世代に楽しみながら味わってもらいたい」と話す。
 提供は29日から開始。一皿800円で、1日20食分程度を用意する。営業は午前11時~午後4時。問い合わせは同センター(℡48・2756)へ。