スーパー・マイヤ竹駒店が18日閉店へ、27日に高田店オープン/陸前高田

▲ オープンから2年4カ月で閉店となるマイヤ竹駒店=竹駒町

 大船渡市に本社を置く㈱マイヤ(米谷春夫代表取締役社長)は、陸前高田市竹駒町十日市場のスーパー「マイヤ竹駒店」(藤倉久仁昭店長)を18日(火)に閉店する。同店は震災後、隣接地で営業した仮設の「滝の里店」に代わる本設店舗で、周辺にできた仮設商店街などとともに、津波で壊滅した中心市街地にかわって、にぎわい創出の核を担ってきた。同社は27日(木)、高田町の大型商業施設「アバッセたかた」内に高田店をオープンさせ、アップルロード店(米崎町)との市内2店舗体制を維持する。

 

市内2店舗体制を維持

 

 竹駒店は平成26年12月にオープン。平屋建てで、店舗面積は1480平方㍍。食料品、生活用品を中心とした品ぞろえに加え、生鮮食品コーナー内には、従業員が料理のアイデアや話題の商品、メニューを紹介する「ふれあいキッチン」も設けた。

 従業員数は約60人。平日には店と市内の住まいをつなぐ「お買い物バス」を運行し、車を持たない高齢者を中心に利用された。
 同店の〝前身〟となる滝の里店は、震災から5カ月後の23年8月に営業を開始。店舗周辺には、仮設商店街や金融機関も整備され、津波で甚大な被害を受けた同市の市民の生活再建を大きく後押しした。
 同社は、大船渡市大船渡町の本店や中央店、陸前高田市高田町の高田店、リプル店などが被災し、代替店舗を順次整備。現在は、気仙両市の6店舗を含む県内14店舗、宮城県気仙沼市に1店舗を展開する。
 米谷社長は「2年半前にできたばかりで、できればこのまま営業したいが、人口面などから市内では3店舗でなく、2店舗の経営が望ましいと判断した。そばにはいまだ仮設住宅もあり、近隣地域にも利用していただいただけに苦渋の決断」と語る。
 高田店のオープンを控え、「市役所新庁舎の建設位置など今後の不透明な面もあり、不安はぬぐいきれない。三陸沿岸道路の整備も進み、地域間競争にも負けないまちづくりが求められる。ライフラインの一翼を担うという使命感を持ち、また地域活性化の呼び水となるような役割も店が担えれば」と意気込む。
 竹駒店の営業は18日午後6時まで。それまでは通常通り午前9時から午後9時まで営業する。