住宅再建進み件数減少、大船渡地区の28年度中対応状況まとまる/県の被災者相談支援セ
平成29年4月19日付 1面
県沿岸広域振興局大船渡地域振興センターは、「大船渡地区被災者相談支援センター」の平成28年度対応状況をまとめた。相談員による対応件数は前年度から194件減の911件。仮設住宅から恒久住宅への移行が進んでいることから相談件数は減少傾向にあるが、いまだ多くの被災者が生活再建の途上にあり、県では引き続き気仙2市や支援団体と連携しながら支援していく考えだ。
被災者相談支援センターは、被災者の生活再建を推進するための相談窓口。国の被災者支援総合交付金を活用し、県が「総合的被災者相談支援事業」の一環として久慈、宮古、釜石、大船渡の4地区で実施している。
このうち大船渡地区では、平成23年7月に大船渡市猪川町の大船渡地区合同庁舎に同センターを開設。相談員・専門家による無料相談を行っている。
県大船渡地域振興センターによると、被災者相談支援センターが開設された23年は窓口相談件数が1310件。24年は1208件と減少したが、防災集団移転促進事業などにより住宅再建への動きが出始めた25年は1372件と増加した。
28年度中の相談は「公的支援制度」が559件で全体の61%を占め、次いで「専門家への連絡」が143件(16%)、「生活・健康・人間関係」123件(14%)、「その他」86件(9%)。
このうち、生活再建にかかる補助金や融資、土地、生活設計などが主な相談の「公的支援制度」は、27年度の786件から227件減少した。一方で、家族・親族、心身の健康、経済問題についての相談は前年の121件から2件増えて123件となった。
専門家(弁護士・司法書士・ファイナンシャルプランナー)による対応件数は計127件で、前年から26件増加。建築業者との契約トラブルや多重債務、相続問題が増加傾向にある。
住宅再建が進む一方、管内ではいまだ多くの被災者が応急仮設住宅で生活している。県復興局生活再建課によると3月31日現在、大船渡市では539人、陸前高田市では1905人、住田町では60人が仮設住宅に入居。
仮設住宅の供与期間は、災害公営住宅、区画整理事業等の面整備になお時間を要する状況にある市町村については、供与期間が6年間から7年間に延長されている。さらなる延長について、各市町村の意向をふまえて復興局と内閣府が協議を行っている状況にもある。
大船渡地域振興センターの米内敏明復興推進課長は「被災者相談支援センターの実績をふまえながら、県としても気仙2市や支援団体と連携し、支援体制強化に取り組んでいきたい」と話している。
相談員による電話・窓口相談は平日午前9時から午後5時、専門家相談はファイナンシャルプランナーが隔週火曜日、弁護士が毎週水曜日、司法書士が毎週木曜日で、それぞれ午前10時から午後3時まで。
また、県は沿岸市町村と連携して昨年秋からファイナンシャルプランナーによる出張相談も行っている。相談は無料だが予約制となる。
問い合わせは、同相談支援センター(フリーダイヤル0120・937・700)まで。