「林業先進地として確立を」、新人・水野氏が正式出馬表明/住田町長選

▲ 記者会見で出馬への決意を語る水野氏(手前右)=世田米

 7月18日(火)告示、23日(日)投票の住田町長選に出馬の意志を固めていた町議・水野英哉氏(61)=上有住=は20日、同町内で記者会見を開き、正式に立候補を表明した。水野氏は「豊富な資源を生かしたまちづくりで、住田を林業先進地として確立させたい」と強調。新人同士による競争選が見込まれる中、後援会組織の再編成を図りながら支持拡大を目指す動きを示した。

 記者会見は、世田米のグリーンベル高勘で行われた。水野氏の町議活動を支える後援組織「水野ひでやファンクラブ」の松田久義会長(65)、松田秀樹会長代行(65)、高橋宏司幹事長(62)、遠藤重吉氏(84)、水野養一氏(68)、松田栄氏(56)が同席した。
 記者会見で水野氏は「これまで住田町議会議員としてまちづくりや町政課題解決に取り組み、4期目は議長も務めた。これまで多くの経験をさせていただいた。町政課題は山積しているが、私の経験を生かして本町のかじ取りをさせていただきたい」と、立候補にあたっての決意を示した。無所属で臨む。
 出馬を決めた理由については、現職の多田欣一氏(71)=4期、世田米=が今期限りでの勇退を表明し、新人・神田謙一氏(58)=下有住=が立候補を表明した中で、「このままでは無投票の公算が強くなり、町民の投票機会がなくなる」と説明。
 さらに、町民や支持者から出馬への期待を受けてきたことも挙げた。これまで多田氏後援会の役員を務め、「政策を支持してきた」としたうえで「多田町政をさらに発展させなければいけない思いもあった」と語った。
 平成27年度に策定した町人口ビジョン・総合戦略・総合計画に盛り込まれた事業の着実な推進にもふれ、「本町の未来を確かなものに」と決意。地域特性や資源を生かしたまちづくりにも意欲をみせた。
 農林業施策にも力を入れるとし、集落営農の推進、新規就農者の育成にも言及。住田型林業システムの再構築、木工団地を構成する2事業体の経営安定化も掲げた。木工団地問題に関しては最重要課題とし、「あらゆる努力をして、町に融資償還できる体質にしなければならない。一つの団地内にあるプレカット、三陸木材、ランバーが一つの経営体になって進めていくことが大事と考える」と答えた。
 すでに出馬を表明している神田氏との違いや優位性を問われると、「私は森林組合に勤め、林業の川上の部分で経験がある。さまざまな団体活動にも関わってきた中、青少年の健全育成、生涯スポーツにも力を入れたい」と回答。これまでの後援組織を基盤としながら新たな後援組織を立ち上げ、町内全域を自らの足で回る方針も示した。
 上有住出身の水野氏は、昭和50年遠野高校卒業。日本体育大学体育学部に進み、55年から住田町森林組合職員となった。平成8年に退職し、県立遠野高校PTA期限付職員(野球部監督)や町生涯スポーツセンター生涯スポーツ指導員などを経て、平成11年の町議会議員選挙で初当選した。
 これまで5期連続当選を果たし、3期目には副議長、4期目の23~27年は20代目となる議長を務めた。議会以外では、県青年の船の会会長や住田高校PTA会長を歴任。現在は、同校教育振興会長などに就いている。
 議員職については、今月末で辞職する意向。欠員1となり、町長選と同じ日程で町議会補欠選挙も行われる見通しとなった。