遊休農地の恵みどうぞ、ワラビの新芽が豊作/住田・下有住の佐々木さん(別写真あり)

▲ 遊休農地で育ててきたワラビの新芽を手にする佐々木さん=下有住

 遊休農地活用策の一環で住田町下有住の佐々木照美さん(66)が育ててきたワラビの新芽が今春、豊作となった。平成22年から栽培を始め、冬の寒さや雑草といった障壁を乗り越え、ようやく広く提供できるまでにこぎつけた。佐々木さんや町内の農業関係者は、この新芽がさらなる遊休農地解消につながればと期待を込める。収穫した新芽は、23日(日)午前9時~正午に販売を行う。

 

さらなる活用へ期待、あす午前に販売

 

 佐々木さんは22年冬、自宅近くの気仙川と国道340号に挟まれた約1000平方㍍の畑で、町の遊休農地対策補助を生かしてワラビ苗の栽培を始めた。
 かつては小豆などを育てていた畑だったが、しばらく耕作していない状態が続いていたという。
 畑の中で横にはうように伸びた地下茎から出たワラビの新芽は今年、ようやく広く販売できる量を収穫できた。
 昨年までは冬場の凍結や、夏場にはつるが大量に伸びる特定外来生物・アレチウリなどの影響で思うように生育せず、試行錯誤を重ねてきた。 
 気仙における山菜は、山地などでの自生の採取が中心。最近、全国的に自然食品や健康食品に対する関心の高まりもあり、林地や遊休農地を利用した栽培普及に注目が集まっている。
 収穫した茎は、白い先端部が新芽となる。畑などに植え付けると新芽から茎が伸び、5月には食用部分の収穫が期待できる。
 佐々木さんは「今まで山で採っていたのに、年齢などの関係で行けなくなった方もいるかもしれない。春の恵みを感じられる食材でもあり、気軽に育ててほしい」と話す。
 さらに「やっと町の補助に応えられる量になった。このワラビがあちこちに広がって、遊休農地解消にもつながってくれれば」とも語り、いくつもの肥料袋に詰めた新芽に期待を込めた。
 販売は23日午前9時~正午に、国道340号沿いに位置する下有住高瀬地内の佐々木さん宅前(月山橋付近)で行う。1㌔1000円で対応。問い合わせは佐々木さん(℡090・5183・3687)へ。