本設で新たなスタート、キャッセンの2商業施設で8店舗がオープン/大船渡(別写真あり)
平成29年4月23日付 7面

大船渡市のまちづくり会社・㈱キャッセン大船渡(田村滿社長)が大船渡町のJR大船渡駅周辺地区内に整備した新商業施設2カ所(②、⑤街区)で22日、一部店舗がオープンした。東日本大震災後、仮設施設などでの営業や休業を余儀なくされていた8店舗が本設での新たなスタートを切り、人々が買い物や食事を楽しんだ。29日(土)にはおおふなと夢商店街(④街区)も合わせた3施設が開業し、「第2期まちびらき」も行われる。
買い物や食事楽しむ
震災で被災した大船渡駅周辺地区では、市が土地区画整理事業によるかさ上げなどを実施中。JR大船渡線から海側の津波復興拠点整備事業区域では、商業・業務機能の集積を図っている。
キャッセン大船渡は、同事業区域内の須崎川両岸沿いに二つのテナント型商業施設を整備。野々田地内の右岸側にはキャッセン・モール&パティオ(⑤街区)を、茶屋前地内の左岸側にはキャッセン・フードビレッジ(②街区)が誕生する。
モール&パティオには、小売業や飲食店など16店舗が出店。このうち、5店舗がオープンとなった。
「モン クール&スミレ」(鈴木隆也代表)は、野々田地内で創業した「ブティックスミレ」を名称変更して開店。市民らが訪れ、新店舗での買い物を楽しんだ。
店は昭和36年、鈴木代表(56)の母・せつ子さん(84)が創業。その後、茶屋前地内に移転し、女性向けの上質な衣服、小物類を販売してきた。
津波で被災後、平成23年6月には猪川町内で店を再開。同12月から先月までは、おおふなと夢商店街の仮設店舗で営業し、創業地に戻ってきた。新名称の「モン クール」は、フランス語で〝私の大切な人〟を意味する。
面積約132平方㍍の売り場には、これまでの高級感ある商品に加え、価格を抑えたカジュアル系の衣類、バッグ、アクセサリーなど、世代を超えておしゃれが楽しめる品々が並ぶ。客層を広げるため、商品の内容や価格帯を検討したという。
「3世代が1店舗で買い物できる店にしたかった」と鈴木代表。「これまでは高い商品が多くて入りづらいイメージがあり、今回思い切って取り組んでみた。小さいころから慣れてもらい、長年愛されるようになれば」と期待を込めた。
盛町の磐井弘子さん(75)は「震災前からのおつきあいで、開店には顔を出したいと思っていた。お店ができてよかった。また足を運びたい」と話していた。
同店の営業時間は、午前10時から午後7時。休業日は月に1回予定する。5月5日(金)までは、税抜き5000円以上の購入者の中から抽選で豪華賞品が当たるオープン記念企画を実施中。
フードビレッジには、飲食店を中心に12店舗が出店。22日は3店舗が開業した。

本設での営業をスタートした「KESEN ROCK FREAKS」=キャッセン・フードビレッジ
ライブハウス「KESEN ROCK FREAKS(ケセンロックフリークス)」は、平成24年に誕生した「FREAKS」が名前を新たにしてオープン。開設時からの母体であるケセンロックフェスティバル(KRF)とのつながりを強調し、ともに故郷を盛り上げていく思いを新名称に込めた。
店舗面積は約132平方㍍で、飲食を提供する「ラコスバーガー」も併設。収容人数は150人。被災地支援プロジェクト「東北ライブハウス大作戦」を通じ、全国から寄せられた支援を示す木札約2000枚が並ぶ。
初日は、人気バンドのlocofrankとHAWAIIAN6がこけら落としのライブを行い、本設でのスタートを盛り上げた。
千葉裕昭オーナー(47)は「KRFの実行委や有志の方々に支えられてオープンでき、感慨深い。この店は〝人と人をつなぐ〟がコンセプト。音楽はもちろん、さまざまな形で利用し、皆さんの生活の一部になってもらいたい」と話す。
ライブハウスは予約制で、各種イベントやバンド練習の場などとしても貸し出す。店のホームページ(http://go-freaks.com/)から予約できる。
営業時間は午後5時~午前0時までだが、ライブに合わせて変更する。23日は午後6時から、the band apartとTILITILIのライブを行う。チケットは店頭でも購入可能。