カタクリの群生堪能、花と緑の観賞会/住田町(別写真あり)

▲ カタクリの群生地などを巡りながら散策=種山ヶ原森林公園

森の案内人と散策

 

 住田町による「花と緑の観賞会」は3日、種山ヶ原森林公園で開かれた。この日の住田は今年いちばんの暖かさで初夏を思わせる陽気が広がった。種山では、カタクリをはじめ春を告げる山野草がちょうど見ごろとなっており、町内外からの参加者はかれんに佇む花々を見つめながら、なごやかなひとときを過ごした。
 地元の自然ガイド・すみた森の案内人の会(吉田洋一代表)が主体となって毎年この時期に開催。自然の魅力再発見や、植物や樹木への理解促進などを目的としている。
 気仙内外から40人余りが参加。出発に先立ち、吉田代表は「まずは皆さんの参加と、きょうの天気に最高の感謝。花を見つめ、心を満たしてほしい」と、参加者に語りかけた。
 この日はスッキリとした青空に恵まれ、種山でも汗ばむほどの陽気が広がった。盛岡地方気象台の観測によると、住田の最高気温は23・5度(平年比5・3度高め)。6月下旬並みの暖かさで、今年最高を記録した。
 準備体操を終えた参加者は、遊林ランド種山を出発し、まずは水辺の広場を目指しながら散策。広場では、見ごろを迎えたカタクリの群生が広がり、参加者から「さすが種山」「こんなにきれいに咲いているのを見たのは初めて」といった声が飛び交った。
 カタクリはユリ科の多年草で、林の中に光が注ぐ明るい環境に咲く花とされる。参加者は吉田代表らの説明を受けながら、花びらの根元部分に描かれる蜜標(みつしるべ)など、繊細な姿をじっくりと観賞。案内人によると、今年は大型連休中まで見ごろが続きそうな開花状況という。
 カタクリだけでなく、ヒメイチゲやサクラスミレなどかれんな山野草も咲きそろい、参加者を魅了。フキノトウの雄花と雌花の違いなど、身近な植物にも理解を深めた。