完了時期 2年延びる、高田、今泉の土地区画整理事業/県が復興ロードマップ更新

▲ 事業完了時期が2年延びる高田地区の土地区画整理事業=陸前高田市

 県は、東日本大震災で被災した沿岸12市町村の社会資本整備の進ちょく状況についてまとめた「社会資本の復旧・復興ロードマップ」の最新版(3月31日現在)を公表した。完成時期が1年以上遅れるのは県内21カ所、2年遅れは7カ所。うち気仙では陸前高田市の高田地区、今泉地区の土地区画整理事業で完成時期が2年延びた。

 

 ロードマップは被災者の今後の生活設計・再建などに資するよう▽海岸保全施設▽復興まちづくり▽復興道路など▽災害公営住宅▽漁港▽港湾▽医療▽教育──の社会資本の主要8分野について平成24年7月に策定。住民の合意形成や用地取得などの要因により工程の変化があり得るため、定期的(半年ごと)に情報を更新しており、このほど平成29年3月31日現在を基準日とする最新版が発表された。
 それによると、県内779カ所のうち、494カ所(63%)で工事が完了。完成箇所は前回公表(基準日・28年9月30日)から10%増、着工箇所は前回公表から新たに24カ所(3%)増加して723カ所となった。未着工は56カ所。
 このうち、陸前高田市で進められている高田と今泉両地区の土地区画整理事業は、他事業との調整によりそれぞれ2年遅れとなり、事業完了時期が平成32年度まで延びた。一方で、今泉地区の防災集団移転事業が1年前倒しとなり、本年度末に完成する。
 また、海岸保全施設の只出漁港海岸、根岬漁港海岸、大陽漁港海岸、両替漁港海岸、要谷漁港海岸に各1年、主要地方道大船渡広田陸前高田線に1年未満の遅れがある。
 大船渡市では、海岸保全施設の野野前漁港海岸、蛸ノ浦漁港海岸、泊里漁港海岸が1年遅れ。
 越喜来地区の漁業集落防災機能強化、まちづくり連携道路の一般県道崎浜港線、大船渡綾里三陸線、千歳漁港、増舘漁港はそれぞれ1年未満の遅れがある。
 前回公表以降、県内では赤崎小・中、越喜来小、高田東中を含む計8校の整備が完了。県内最大級となる陸前高田市の高田海岸も完成した。
 工程表には今回から、盛岡市や北上市など内陸に今後整備される災害公営住宅のスケジュールも掲載。沿岸部と合わせて全体で5964戸が整備される予定で、着工済みは5039戸(84%)、4594戸(77%)が完成している。