気仙商工団体連絡会を設立、ILC誘致促進集会開催へ/経済界が一丸

▲ 気仙3市町の商議所、商工会役員らで構成する気仙地区商工団体連絡会が発足=大船渡商工会議所

 気仙地域の商工団体による「気仙地区商工団体連絡会」の設立会は9日、大船渡市盛町の大船渡商工会議所で開かれた。同商議所と陸前高田、住田町の両商工会が気仙地域の振興、諸課題の解決に向けて連携し、結びつきを強めていこうと初めて設立。設立会では連絡会の設置要項と、来月にILC(国際リニアコライダー)の誘致促進集会を開催することを決めた。今後は経済界が一丸となり、民間による気仙地域の振興、発展を目指していく。

 

民間から地域振興・発展を


 気仙地域では東日本大震災前、大船渡商議所と陸前高田、住田町各商工会による「気仙地区商工団体長会議」を年に1回開催。それぞれの役員らが会し、情報交換を行っていた。
 震災後はこうした会合の機会がなくなった一方で、被災企業のなりわい再生や経済振興、販路拡大に向けた展示即売イベント、商談会など、気仙地域で連携する事業が増加。震災からの復興はもちろん、人口減少やインフラ整備などの諸課題も多い中、改めて各商工団体が手を携えて連絡会を設立し、課題解消や民間によるまちづくりに取り組んでいくこととなった。
 設立会には、各商議所、商工会の役員や事務局職員ら11人が出席。出席者を代表し、大船渡商議所の齊藤俊明会頭が「気仙は一つであり、力と知恵を合わせて気仙地区の発展につなげることが連絡会の設立趣旨と考える。一堂に会してまちづくりに全力で取り組めば素晴らしい地域になると信じ、進めていきたい」とあいさつした。
 その後の協議、意見交換は非公開で実施。協議では連絡会の設置要項案を原案通り承認し、6月12日(月)にリアスホールで「ILC誘致促進集会」を開催すると決めた。
 設置要項によると、連絡会の目的は「気仙地域の商工業の総合的な改善発達を図り、社会一般の福祉の増進に寄与すること」。3カ月に1回のペースで会合を設け、情報交換会の開催や地域産業経済の振興、発展に寄与する各種事業、政策提言活動などに取り組む。
 大船渡商議所、陸前高田、住田町各商工会の役員、事務局長ら14人で構成。会長には齊藤会頭、副会長には伊東孝陸前高田商工会長と千田明夫住田町商工会長が就いた。
 ILC誘致促進集会は、連絡会初の主催事業。北上山地へのILC誘致促進に向けた意識の醸成、適切な受け入れ体制を図ることを目的としている。
 連絡会設立を受け、陸前高田商工会の金野秀副会長は「震災後にこうした会が発足することは大変素晴らしく、有意義なこと。大船渡、住田と一体になることは、高田が高田としてどのようなことができるかを考える意味でも大切。非常に期待している」と今後の活動に意欲を見せる。
 住田町商工会の千田会長は「大船渡と陸前高田の復興なくして、住田の繁栄はありえない。気仙の特徴、いいところをつかんで新たな観光モデルをつくるきっかけにもなる。全国に気仙を発信し、ともに生きていかねば」と決意。
 齊藤会頭は「気仙は一つ。このように商工団体が同じテーブルに着くのは、地域づくり、まちづくりのため。非常に楽しみな組織になると感じている」と話していた。