入浴者数1万人に到達、新装開業1年を前に/陸前高田の霊泉・玉乃湯(別写真あり)

▲ 入浴者数1万人を祝って行われたくす玉開披=竹駒町

 昨年6月に新装オープンした陸前高田市竹駒町上壺の休養施設「霊泉・玉乃湯」で10日、入浴者数が1万人に達した。地元内外から親しまれ、震災直後は被災者やボランティアを癒やす入浴施設として利用された。指定管理者が代わり、新たなスタートを切ってからまもなく1年。「心身の健康増進」を目標に掲げて運営に取り組むスタッフらは、利用客とともに大台到達を喜び合った。

 

「健康増進」目標に運営

 

 10日午前10時30分ごろ、大船渡市赤崎町の団体客20人が訪れ、その中の一人、佐藤トキコさん(74)が、新装オープンしてから1万人目の入浴客となった。施設玄関でくす玉が割られ、スタッフからペアの宿泊無料券とアジサイの鉢植えが贈られた。
 玉乃湯のファンで、定期的に足を運ぶという佐藤さん。施設周辺ではちょうどヤエザクラが見ごろを迎えており、今回は花見を兼ねて地元住民らとともに訪れた。「自分が1万人目に当たるなんてとびっくりしている。本当にいいところ。これからもお風呂に入りに来ます」と喜んでいた。
 玉乃湯は、市が平成11年に整備。宿泊機能を備え、地元はもちろん、市外からの来訪もある。ライフラインが寸断された震災直後は被災者やボランティアを受け入れた。
 これまで竹駒町の組合が管理していたが、経営不振により一昨年12月に休業。新たな指定管理者は気仙で薬局経営などを手がける大船渡市猪川町のロッツ㈱(富山泰庸代表)が担い、昨年6月11日にグランドオープンを果たした。
 ロッツが目標に掲げているのは「心身の健康増進」。施設が立つ玉山金山の薬草を生かした薬湯などで他施設との差別化を図り、おからを使った期間限定の健康風呂も人気を博す。食事は手作りにこだわり、丁寧なメニューでもてなす。
 客足をさらに伸ばそうと、昨秋からは毎月26日を「ふろ」の日として、入浴すると特製ラーメン1杯無料のサービスを行い、3月からは日替わりの特典イベントも実施。今月3日には貸し切り風呂も始めた。
 玉乃湯の熊谷礼子マネジャー(49)は「こんなにたくさんの人に来ていただき感謝の気持ちでいっぱい。地域内外の人たちの健康づくりのため、さらにいい温泉施設を目指す」と意欲を語った。