新図書館で配架スタート、7月に新生オープン/陸前高田市(別写真あり)

▲ 約20人体制で連日の配架作業にあたる=高田町

 陸前高田市高田町の高台で営業を開始した大型商業施設「アバッセたかた」A棟に併設される新しい市立図書館(戸羽良一館長)で現在、図書の配架作業が行われている。よりすぐられた真新しい図書が段ボールから取り出され、次々と棚に並べられている。新図書館には、これまでなかったティーン向けコーナーも設置されるなど、7月の新生オープンに期待が高まる。

 

仮設施設は6月末で閉館へ

 

 新しい市立図書館は、延床面積891平方㍍。平屋建てだが、天井が高く、開放的な造りとなっている。木の柱や、はりが空間にぬくもりを与え、無数のペンダントライトが優しい光を放つ。
 配架は8日にスタートし、連日20人体制で作業。新図書館の蔵書数は、新規購入した図書約3万冊と、仮設図書館から持ち込むおよそ3万5000冊の計6万5000冊ほど。一部を移動図書館車用に充てる。
 現在行われているのは、新規購入図書をおおよその分類に従って並べる「荒配架」と呼ばれる作業。そこから番号順に配置し直し、蔵書点検を行い、どの棚にどの本があるかというデータを一冊ずつ入力する。これらの作業全体で2カ月以上を要することから、開館は7月20日過ぎごろになる予定だ。
 司書の元木香代さんによると、新施設には10代向けの小説や進路に関する図書などを集めた「ティーンズコーナー」も開設。また、建築や理工学といった専門的な分野、芸術・文化・スポーツに関する本、コミックも豊富にそろう。アバッセ内のカフェから入館できるエリアには、園芸や娯楽といった軽めの読み物、新聞・雑誌コーナーを設けるなど、あらゆる用途、さまざまな世代が利用しやすいよう工夫されている。
 市民から「新しい図書館を楽しみにしているよ」と声をかけられることも多いというスタッフ。震災後、臨時職員として勤務する遠野圭子さんは、「皆さんの支援が形になった図書館。ようやくここまできたという感じ。利用者の皆さんも、開館を本当に心待ちにしてくれています」と感極まった様子で語り、てきぱきと手を動かしていた。
 新図書館オープンに伴い、竹駒町にある仮設図書館は6月30日(金)で閉館する。現在、図書の貸し出しは行っておらず、返却と、新聞や一部雑誌の閲覧のみ行う。
 問い合わせは同館(℡54・3227)まで。