囲碁の裾野拡大へ布石、復興まちづくり協が「碁石の小碁盤」制作/大船渡(別写真あり)
平成29年5月12日付 7面

地元が誇る碁石海岸の地名にちなんだ「囲碁のまちづくり」に取り組む、大船渡市末崎町の碁石地区復興まちづくり協議会(大和田東江会長)は、「碁石の小碁盤」を完成させた。従来の碁盤より小サイズの入門用セットで、囲碁愛好者の裾野拡大をと市内小中学校への寄贈を決め、11日に市役所で贈呈式が行われた。13~15日に同市で開かれる第4回「碁石海岸で囲碁まつり」(同実行委主催)の参加者たちにもプレゼントすることとし、将来的には土産品としての活用も描いている。
小中学校に140セット贈る
碁石海岸周辺地域の住民でつくる同協議会は、「碁石」をキーワードに復興と振興を図ろうと、市外の有志たちとともに平成26年から囲碁のまちづくりを展開。首都圏などの愛好者に呼びかけてのイベント開催、市による「碁石の日」(5月14日)制定に向けた働きかけ、地元に鎮座する熊野神社の「囲碁神社」としての発信などと取り組んできた。
「碁石の小碁盤」制作も、この一環。活動を進める中、地元での囲碁普及が欠かせないとして、子どもたちを中心に愛好者の裾野を広げていこうと、キリン福祉財団の助成を受けて200セットを作った。
小碁盤は木の板で作られ、大きさは縦横それぞれ20㌢ほど。表裏両面をそれぞれ碁盤に仕立てた。従来の碁盤は19路盤となっているが、初心者でもルールを体得しやすいよう、一面は9路盤、もう一面は6路盤と小さくし、テキストも添えた。
市内全19小中学校の各クラスに合わせて140セット贈ることとし、11日に大和田会長と村上征一副会長が市役所を訪問。市側は戸田公明市長、今野洋二教育長らが出席し、贈呈式が行われた。
大和田会長は、小碁盤のほか、6路盤対局ガイド、児童生徒全員分の入門テキスト、第4回囲碁まつりのポスターなど一式を目録とともに戸田市長に手渡し、「囲碁のまちづくりには地元の盛り上がりが欠かせず、特に子どもたちに関心をもってもらいたい」と期待。
市長は「全クラスに届け、休憩時間などに使えるよう機会を提供していきたい。碁石と囲碁の結びつきが一層強まり、まちづくりが進んでいけばうれしい」と述べた。
協議会では、「碁石の日」を中心とする3日間、盛町のリアスホールを主会場として開かれる囲碁まつりで、遠来からの参加者にも小碁盤を贈る予定。大和田会長は「将来的には大船渡の新たな観光名産品として活用していきたいと考えている。復興の一助になれば」と話している。