里山の恵み 気軽に収穫を、観光ワラビ園始まる/住田町(動画、別写真あり)

▲ 丘陵地に広がるワラビ=下有住

 住田町のすみた里山を守る会(紺野昭二会長)は13日、下有住字奥新切の蕨峠町有地に設けた「観光ワラビ園」の開放を始めた。比較的歩きやすい里山の丘陵地約2㌶には、先月の山焼きで成長が促され、雨の滴でみずみずしさが引き立ったワラビたちが一面に広がる。開放は21日(日)まで行われる。

 

下有住・蕨峠で21日まで

 

 守る会は、里山地域の有効活用と環境整備を図ろうと、伝統的な山焼き手法の取得と継承を目指す団体。平成20年に結成した。山菜栽培も振興しており、蕨峠町有地の一部を実証区域に山焼きとワラビ発生状況調査などに取り組んでいる。
 観光ワラビ園は、一般開放の一環で22年に始まった。今年は4月11日に山焼きを実施し、安全に歩ける丘陵地に新たな草花や山菜が芽吹きやすい環境を整えた。今年は2度の週末を含むなど、昨年よりも開設日を多く設けている。
 初日はあいにくの降雨となったが、午前9時ごろには町外から訪れた10人ほどが、ビニール袋などを手にしながら丘陵地に入った。白い霧が広がる中で、収穫を楽しむ人々の歓声と「ポキッ、ポキッ」と摘み取る音が広がった。
 陸前高田市高田町から訪れた石川守男さん(81)は「昨年に続いて参加した。天候が心配だったけど歩きやすく、雨にも負けずに来て良かった。何より、ワラビを取る楽しさがいいね」と話し、笑顔を見せた。
 同会では鶏糞をまくなど、山焼き以外にもワラビが芽吹きやすい環境を整えてきた。
 紺野会長(72)は「今年は里では雪が少なかったが、蕨峠周辺は例年以上の積雪だった。その分、ワラビの発育が遅れ、4月の霜の影響を受けなかったことで、いつもよりも状態は良い。多くの人々に楽しんでほしい」と、今後のにぎわいに期待を込める。
 今後の開放日は14(日)、16(火)、18(木)、20(土)、21(日)の各日。体験時間は午前9時~正午。15(月)、17(水)、19(金)の各日は休園とし、成長を促す。参加料は1000円で、2㌔まで取り放題とし、超えた分は追加徴収する。
 事前申し込みを受け付けるが、当日参加も可能。申し込み、問い合わせは同会事務局(町農政課内℡46・3861内線235)へ。