2017住田町長選/告示2カ月前、新人決戦行方いかに

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 7月18日(火)の住田町長選・町議補選告示日まで、残り2カ月となった。町長選では現在、新人2人が立候補を表明し、8年ぶりの競争選となる公算。両新人の後援会では地域回りを本格化させ、まずは有権者との対話を重視しながら支持拡大を図っている。ただ、現時点では争点や政策の違いが見えにくく、有権者側には静観ムードがただよい、流動要素が多い中での前哨戦が続いている。

 

前哨戦本格化へ

 

 町長選は、8月4日(金)の任期満了に伴うもの。町選管では、町長選・町議補選日程を「7月18日(火)告示、23日(日)投開票」と決めた。 
 投開票日は、昨夏の参議院選挙と同じ町内17カ所に投票所を設け、投票時間は午前7時~午後6時とする計画。告示に先立ち、6月下旬に立候補説明会が行われる見込み。
 現段階で出馬を表明しているのは、表明順に新人で会社役員の神田謙一氏(58)=下有住=と、同じく新人で農業の水野英哉氏(61)=上有住=の2人。ともに無所属で出馬する。水野氏は元町議で、先月末で辞職。欠員1人が生じたため、町議補選も行われる。
 神田氏は昨年12月に表明。住田町農協での家畜診療所勤務などを経て、現在は住田フーズ㈱常務取締役を務める。「住民目線を大切に『医・食・住』をベースに取り組む」を掲げ、医療や農業・畜産施策の推進、環境や自然保護、防災面の充実に意欲を見せる。
 今年1月に後援会「神田謙一と明日の住田を創る会」(泉金一会長)が発足。これまで組織固めや地域回りを進めてきたが、神田氏は選挙初挑戦とあって陣営内からも「畜産分野以外での知名度はまだまだ低い」といった声が聞かれる。
 神田氏は「表明時から、生活の基盤となる分野の充実を強調してきた。私自身の人となりを分かっていただき、政治姿勢を正直に訴えていきたい」と、今後の後援会活動を見据える。
 水野氏は4月に表明。住田町森林組合職員などを経て、平成11年の町議会議員選挙で初当選。5期連続当選を果たし、3期目に副議長、4期目には20代目となる議長を務めた。
 町議時代は後援会「水野ひでやファンクラブ」(松田久義会長)が支え、現在は世田米や下有住など地元外の支援を充実させながら組織・役員体制の一新を進める。集落営農や農林業政策の推進、障害者や高齢者にやさしい町づくりなどを基本政策に掲げる。
 後援会活動の地域回りは、すでに町内を一巡。手ごたえがある半面、神田氏側の先行も感じ取り「今は追い上げる立場」とする。水野氏は「これまでの地域活動や、議員、議長の経験を生かした町政運営への理解を広げたい」と語る。 
 両新人とも、有権者の半数を占める世田米地区在住ではないため、後援会活動では浮動票が多いとみる同地区への支持拡大を重視。ただ、両陣営からは「選挙への関心はまだ低い」との声も聞かれ、手さぐりの中での前哨戦が続く。
 一部町民には「第3の候補」に注目する向きはあるが、動きは見られない。町長選と同時日程で行われる町議補選にも関心が高まりつつあるが、名乗りを上げた者はいない。
 住田町は、昭和30年に3町村が合併して誕生。町長選は今回で17回目となる。現職で4期目の多田欣一町長(72)=世田米=は、昨年の町議会12月定例会で勇退を表明。新リーダー選出は16年ぶりで、選挙戦となれば前々回選の21年以来8年ぶりとなる。
 さらに新人同士の争いとなると、4人が立候補した昭和30年の第1回のみ。過去に前例がない構図での戦いが見込まれる。
 町長選、町議補選としては、今回初めて18、19歳の有権者も投票が可能となる。5月2日現在、同町の有権者数は5116人(男2490人、女2626人)で、前回選告示前日と比べて268人少ない。地区別、投票所別の有権者数は別表の通り。

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