好天のもとで豊作願う、「たかたのゆめ」田植え式/陸前高田(動画、別写真あり)

▲ 真夏のような青空が広がったほ場で、収量アップを祈りながら田植えをする参加者=米崎町

 陸前高田市のブランド米「たかたのゆめ」の田植え式は20日、米崎町の市ライスセンターと近隣のほ場で行われた。一足も二足も早い夏の訪れを感じさせるような好天のもと、戸羽太市長をはじめとした市の関係者、サポート企業の社員ら約80人が参加し、前年以上の実りとなるよう願って苗を植え付けた。
 この日は、同市で初めて「たかたのゆめ」栽培に取り組んだ同町の金野千尋さんの水田およそ10㌃で田植え。日本たばこ産業や伊藤忠商事など、同米の生産・PR推進に協力する企業の社員らが、戸羽市長と金野靖彦市観光物産協会長らと一緒に田植えを行った。
 このあと、ライスセンターで行われた交流イベントでは、参加者が〝おにぎりアート〟にも挑戦。たかたのゆめは「冷えてもおいしく、おにぎりに向く米」として㈳おにぎり協会の認定を受けている。今回は、錦糸卵を巻いた黄色、海苔を巻いた黒、白いおにぎりなどをボードの上に配置し、「たかたのゆめちゃん」の顔を完成させた。
 本格的な作付け開始から、今年で5年目となるたかたのゆめ。平成26、27年度産米は全農系統出荷で、キロあたりの単価が県内トップの高値をつけるなど、評価を高めつつある。今年の作付け面積は全体で56㌶と、前年より1㌶増えた。
 一方、昨年は想定以上の鳥獣被害を受けたことや、津波被害によって地力が落ちた復旧田での栽培となっていることなどから、目標とする250〜300㌧の収量には至っていない。
 「たかたのゆめ」ブランド化研究会の佐藤信一会長(68)は、「電気柵の設置や猟友会への協力のお願いなど、地道にやっていくしかない。ここ4年栽培してきて、いもち病や倒伏に強いと分かってきたので、多肥栽培にしていくことで収量を上げたい。所得向上へ結びつけられる米というイメージアップを図り、農家の理解を取り付けていくことが大事」と、今後取り組むべき課題も見据えていた。