消防分署新築着工へ、町議会臨時会で契約議決/住田

▲ 新分署のイメージ図
契約案件を議決した臨時会=住田町議会

契約案件を議決した臨時会=住田町議会

工期は来年3月まで 

 

 住田町議会臨時会は26日、議場で開かれ、大船渡消防署住田分署新築工事の請負契約締結を議決した。分署は現役場庁舎北側の道路向かいに整備し、分署棟は木造で整備。今後、造成や建築工事が本格化し、本年度内の完成、来年度からの供用開始を目指す。
 世田米清水沢地内に構える現住田分署は、大船渡地区消防組合発足の昭和49年に建設。老朽化に加え、駐車や訓練スペースを満足に確保できない手狭さも課題となっていた。
 今月行われた指名競争入札の結果、新築工事を請け負うのは佐武建設・住田住宅産業・山崎工業特定共同企業体。契約金額は4億7952万円で、工期は来年3月5日まで。
 新分署の敷地は世田米川向地内で、町運動公園野球場の外野右中間側に隣接。敷地面積は4958平方㍍。分署棟は木造、訓練塔棟は鉄筋コンクリート組積造で、資機材庫棟は同構造と一部木造となっている。
 分署棟は木造2階建てで、1階の延床面積は561平方㍍、2階は364平方㍍。最高部の高さは12・48㍍となる。
 1階は出動準備室、仮眠室といった救急出動に備える業務スペースに加え、展示ギャラリーを配置。消防ポンプ車や救急車両などが並ぶ車庫は2階への吹き抜け構造となっている。2階は、事務室や40人程度まで利用できる会議室、団本部室などが入る。
 同じく木造で整備され、平成26年度に完成した役場庁舎と同様に、外観は2階部分からの大きな庇(ひさし)が印象的なデザイン。安全・安心の拠点になるだけでなく、中心部の木質化や「森林・林業のまち」のシンボル的な役割も担う。
 木材使用量は概算で240立方㍍。多くは地元からスギ、カラマツの集成材を調達する。林業資源を生かす新たな産業化の観点から注目を集める木材パネル・CLT(直交集成板)は1、2階の天井部や軒、階段の床材など。来訪者の目につきやすい場所に生かす。
 訓練塔棟、資機材庫棟に加え、屋外には消防操法競技に対応できる駐車場(55台分)を整備。ランニングコースや休憩広場が設けられるほか、シンボルツリーとして植栽も行われる。
 臨時会では、町当局が28年度繰越明許費繰越計算書を報告。一般会計分は5億7732万円で、このうち住田分署建設事業は5億1207万円、公共土木災害復旧事業2000万円となっている。
 このほか28年度一般会計と介護保険特別会計、29年度一般会計の各補正予算、町税条例一部改正、国民健康保険条例一部改正の各補正予算専決処分も承認された。