総売上金は14・4%増、けせんプレカット総会/住田町

▲ 全議案を承認、決定した総会=世田米

28年度実績61億円超に

 

 けせんプレカット事業協同組合(佐藤實理事長、組合員81事業所・個人)の第24回通常総会は2日、住田町世田米の松嶋家で開かれた。平成28年度は復興事業や首都圏需要に支えられ、総売上金は27年度を14・4%上回る61億3400万円。本年度は東日本大震災被災者の住宅再建事業が収束に向かう中、新規ハウスメーカー開拓に注力するほか、高田工場に大断面加工機を入れるなど設備充実も図る。
 同組合は気仙3市町の建設、建築業者や林業関係者で組織。総会には本人、委任状合わせて67人が出席した。
 佐藤理事長は「震災から6年。災害公営住宅の建設も着々と進んでおり、今後も組合員の皆さんと協力しあい、一日も早く完成できるよう努力したい」とあいさつ。多田欣一町長は祝辞の中で「三木(三陸木材高次加工協同組合)、ランバー(協同組合さんりくランバー)の再建にも多大なご支援を受けている。木材分野は連携しなければ生き残ることはできず、心を一つに取り組みたい」と述べた。
 議事では第24事業(28年度)報告書や剰余金処分計算書案、第25事業(29年度)事業計画案や収支計画案などを審議し、いずれも原案通り承認、決定した。
 28年度事業報告によると、売上金額は61億3463万円。53億6000万円余だった前年度を14・4%上回った。復興需要や首都圏の動向に支えられ、年度当初に掲げた売上目標60億円も突破した。
 事業別にみると「在来+金物工法」は31億4900万円で前年度比15%増、「ツーバイフォー工法」は5億6200万円で同額、「パネル工法」は3億8700万円で同4・2%減、羽柄材は8億4900万円で同13・7%増。造作材・建具・外注は11億7000万円で31・5%上回り、ペレットは1600万円と同額だった。
 売上棟数は前年度よりも200棟以上多い2941棟。受注区域は▽宮城34・2%▽東京32・0%▽埼玉12・7%▽岩手(気仙除く)11・6%▽気仙4・9%▽山形2・8%──で、前年よりも首都圏の割合が高まった。
 経常利益は5823万円で、法人税等を引いた純利益は5174万円。前期繰越利益を合わせた未処分剰余金は5217万円で、特別積立金に4800万円、教育情報費用積立金に265万円、出資配当金に127万円を充て、次期繰越剰余金は25万円とした。
 本年度の売上金目標は65億円を掲げる。建材商社や工務店などの協力を得ながら営業活動を進めるほか、新規のハウスメーカー開拓にも力を注ぎながら達成を目指す。
 組合では、今後の戸建住宅は横ばいか減少が進むと想定。成長分野は非住宅、賃貸住宅とし、本年度は大断面加工ができるラインを高田工場に設備し、大規模な建物や店舗、倉庫各分野の進出も見据える。また、三木やランバーなどとの連携も密にしながら売上高を増やし、気仙林業の発展に貢献するとしている。