がんばれ!大船渡東!!/第64回春季東北地区高等学校野球大会
平成29年6月7日付 5面
宮城県3会場で
6月8日~12日
あす、東日大昌平戦
第64回春季東北地区高等学校野球大会は8日(木)から、宮城県内3会場で始まる。本県第3代表の大船渡東は初日の1回戦に登場し、福島県第3代表の東日本国際大昌平と対戦。大船渡東が東北大会に出場するのは平成20年の開校以来初めてで、前身の大船渡工業が昭和60年の第32回東北大会に出場してからは32年ぶり。大舞台での健闘に期待が高まる。
地区、県大会の熱戦を経て
大船渡東は沿岸南地区予選の初戦、大槌を相手に12─1とコールド発進。続く第1・第2代表決定戦では高田との気仙勢対決を、3─0で制した。
迎えた県大会では、1回戦で盛岡北を4─2、2回戦で宮古商業を4─0で下した。準々決勝では盛岡第四を8─4で敗って4強入り。
準決勝で久慈に1─5で敗れ、3位決定戦で花巻東と対戦。序盤は相手にリードを奪われたが、中盤に打線がつながり、6─4で逆転勝ち。気仙勢としては平成19年の高田以来10年ぶりとなる東北大会出場をつかんだ。
安定したプレーで勝機を
大船渡東の過去10年間の戦績を見ると、昨年秋の大会での県ベスト8以外は、春、夏、秋各大会で地区予選敗退、県大会初戦敗退が続いている。
「昨年の冬は、走り込みやウエートトレーニングなど下半身の強化に取り組んだ」と振り返るのは、チームをまとめる野々村和樹主将(3年)。「県大会ではエラーも少なく、プレーが安定してきたように感じた」と、変化を語る。
指揮をとるのは、本年度同校に赴任した眞下徹監督(54)。昨年度まで県高野連の理事長を務めていたが、「子どもたちに何も教えられないままでは終われない」と現場復帰を申し出たという。
「毎年、甲子園で上のレベルを見てきた。選手たちをそのレベルまで引っ張っていければ」という思いのもと、春の大会期間も含む約2カ月、塁上でのリードのとり方や確実な捕球など、基礎を徹底的にたたき込んだ。
守備で大きな成長を見せたのは三遊間。あらゆる打球への対応力を高めた三塁手の野々村主将と遊撃手の佐藤啓太(3年)の守りは固く、正確な送球で走・打者の行く手を阻む。
投手陣は、エースの岩城大夢(同)と佐藤飛勇(同)の両右腕が軸。岩城は変化球を得意とし、物おじしない思い切った投球が持ち味。佐藤は下手投げで、ストレートを主体に緩急を織り交ぜて打者を惑わす。
打撃で存在感をみせるのは、地区予選と県大会で計2本の本塁打を放った4番の山﨑秀太(同)だが、県大会で肩を痛めたため、東北大会ではここ一番の場面での代打起用が予想される。
長打力と俊足に定評がある佐藤啓太や、1番打者として気合のこもった一打を放ち場の空気を変える野々村主将も要。花巻東戦で長打を放ち逆転の好機をつくった尾﨑龍(同)や、勝負どころでスクイズを決めた及川天晴(同)らの活躍にも期待がかかる。
「一戦一戦を楽しみたい」
東北大会出場について眞下監督は「県大会を勝ち抜いたチームと戦えるチャンス。簡単に負けるつもりはないが、初対面の相手とどう戦うか、夏に向けて対応力を養う場にしたい」と先も見据える。
初戦であたるのは、福島県第3代表の東日大昌平。昨年の春は県ベスト16だが、平成22年には東北大会で8強入りを果たしている。
野々村主将は「元気がよく、思い切ったプレーをできるところが大船渡東のいいところだと思っている。1回戦でもみんなで試合を盛り上げていきたい」と語り、「一戦一戦、自分たちの野球を楽しみたい。精いっぱいのプレーができれば」と闘志を燃やす。
岩城大夢㊤、佐藤飛勇㊦の両右腕を軸に相手打線を封じる