相談3500件超えに、今年5月までの実績まとめる/法テラス気仙
平成29年6月8日付 2面
相続や離婚の割合高く
東日本大震災被災者の生活再建などに関する無料法律相談にあたっている、大船渡市盛町の日本司法支援センター岩手地方事務所気仙出張所(法テラス気仙)は、開所した平成25年3月~今年5月までの利用実績をまとめた。相談は年間700件前後で推移しており、合計で3500件を超え、相続や離婚、住まい・不動産にかかるものが大きな割合を占めている。
法テラスは国が設置する総合法律支援の中核を担う施設で、18年10月から業務を開始。東京都に本部事務所、全国の地方裁判所本庁所在地や司法過疎地などに地方事務所が置かれ、コールセンターも設置して電話による情報提供も行っている。
法テラス気仙は、臨時の被災地出張所として25年3月24日に大船渡簡易裁判所裏に開所。震災時、被災3県に居住、勤務していた人は無料で利用でき、この要件に該当しない場合でも無料法律相談の制度を利用できる場合がある。
現在、弁護士は水曜日を除く平日の週4日、相談に対応しており、月1回の休日相談日や月2回の夜間相談日も設けている。
また、司法書士が毎週水曜日、社会保険労務士が月1回、税理士が月2回、出張所で相談にあたっているほか、県との連携事業による巡回相談にも取り組んでいる。
まとめによると、開所から今年5月いっぱいまでの相談件数は3577件。相談者の住所は大船渡市2315人、陸前高田市832人、住田町176人、その他県内130人など。
年代別では、60代が925人でもっとも多く、50代が813人、40代605人、70代501人、30代404人などと続く。
対応者は、弁護士が2600件、司法書士が493件、職員が200件、税理士が186件など。
相談内容別の実績は別掲の通り。もっとも多くなっているのが相続や離婚といった家族関係。1320件で全体の4割近くを占める。
次いで、住まい・不動産が726件、金銭の貸し借りなど生活上の取引関係が661件、行政(税金など)305件、事故・損害賠償205件、労働137件などとなっている。
震災特例法で同出張所の設置は30年3月末までとされているが、弁護士会や司法書士会などでは相談ニーズはいまだ失われていないとして、国に対して特例法延長と存続を求める要望を出すなどしている。
法テラス気仙の開設日と時間は、平日午前9時~午後5時。予約優先。
問い合わせ、申し込みは電話(050・3383・1402)で。