補正予算案など可決、6月定例会が閉会/陸前高田市議会

▲ 12日間にわたる6月定例会が閉会=陸前高田市議会

公共施設等に関し説明も

 陸前高田市議会6月定例会は20日に最終本会議が開かれ、予算等特別委員会(大坪涼子委員長、議長を除く全議員で構成)に審議付託していた本年度一般会計補正予算案など13件と、「共謀罪(テロ等準備罪)の法成立の強行に対し陸前高田市議会として抗議するもの」とした「組織的犯罪処罰法改正案の強行成立に講義する意見書の提出」についての発議1件を、すべて可決した。
 予算委員会に付託していたのは、大肝入吉田家住宅復元基金条例などの条例案および条例改正案と、本年度の一般会計、下水道事業、農業集落排水事業、国民健康保険など四つの特別会計、水道事業会計の各補正予算案など全13件。
 このうち一般会計補正予算は、歳入歳出予算の総額に6億1942万円を追加し、773億6742万円とした。
 戸羽太市長は今議会閉会にあたり、「新庁舎の建設位置についても改めてご提案し、現高田小学校跡地での建設にご賛同いただいた。さっそく建設にかかる事業に着手したうえ、国の復興・創生期間内に完成を目指し、持続可能なまちづくりを進めてまいる」とあいさつした。
 続いて行われた全員協議会では、▽応急仮設住宅の撤去・集約化の基本方針の改訂▽市立図書館の運営▽気仙小学校の施設概要▽新しい交通広場──の4点について当局が報告した。
 仮設の撤去・集約化計画については、28年8月から実施した住宅再建に関する「最終確認調査」を元に改訂を加えたもの。解体時期が30年度下半期から31年度下半期に延長された気仙町の二日市民有地を除き、20の団地で集約および解体時期が前倒しとなった。また、29年度には学校用地を中心に15団地の撤去・集約化が行われる予定となっている。
 「本年度内に学校庭仮設の撤去・集約が行われた場合、グラウンドはいつから使える見通しか」という議員からの質問に対し、当局は「来年3月中に入居者に移動してもらったとして、工事業者の入札は4月以降。実際の工事とグラウンド整備はその後になるため、早くても10月ごろになる」と回答。議員からは「空いている駐車場側から整備を始めるなど、できるだけ早く済むよう工夫を」と求める声も上がった。
 気仙町の高台に再建される気仙小学校の校舎は、木造2階建てとし、延べ床面積は2709平方㍍。このほか屋内運動場、ホール棟、プール棟、屋外運動場などの外構などからなる。教室内には気仙産材などをふんだんに使い、児童の地場産業に対する理解も促す。
 また、高田町の中心市街地に整備される新しい交通広場については、ユニバーサルデザインに配慮した設計とし、雨にぬれず移動できるような雨よけ(シェルター)を配置。JRが整備するBRT駅舎は、震災前のJR陸前高田駅に近い形で設計されるといい、交通広場の供用開始時期と同じ平成30年春のオープンを目指す。