一丸となって行動を、住田町総合防災訓練(動画、別写真あり)

▲ 緊張感に包まれた救助訓練=下有住

地震被害を想定

 

 地震被害を想定した住田町の総合防災訓練は25日、町内全域で行われた。早朝からの避難や救出訓練などが展開され、町民ら約2000人が参加。緊急時の避難場所や救助方法などを確認したほか、一丸となって被害を最小限に抑える意識を高めた。
 有事に迅速かつ円滑な応急対策対応ができるよう、関係機関による協力体制の確立と、地域住民の防災意識高揚を図ろうと隔年で開催。震度6弱の地震が発生し、町内各地区で土砂災害が発生。全域に避難勧告が発令される──との想定で行われた。
 1次訓練では、町内全域にサイレンが鳴らされ、貴重品や非常備蓄品などを手にした住民が続々と避難。
 このうち、下有住の町生涯スポーツセンター駐車場に子ども2人と訪れた及川まゆ子さん(45)は「やはり、冷静でいることが大事だと思う。子どもたちにはサイレンが鳴ったら危険な状態なんだということを察知し、身を守るようになってほしい」と話していた。
 地区内では、消防団員による倒壊家屋の救出訓練や負傷者搬送訓練が行われ、限られた資機材の中で迅速に人命を守る手段を確認。火災を想定した放水や、臨時医療救護所設置訓練も行われた。
 2次訓練は、上有住の有住中学校グラウンドで実施。応急搬送、心肺蘇生、初期消火・バケツリレー、車両救出の各訓練が行われ、非常時の対応を確認した。
 町によると、1次訓練では1477人が避難。消防職団員や自主防組織関係者らを含めた参加者は、町内人口の3分の1にあたる約2000人に達した。
 同グラウンドでの閉会式では、統監を務めた多田欣一町長が防災に対する意識の高さを再確認できたとしたうえで「これからも本町の安全、安心に精進を」と述べた。