経常利益9800万円に、大船渡市漁協が総代会
平成29年6月28日付 2面
大船渡市漁業協同組合(岩脇洋一代表理事組合長、正組合員数823人)の平成29年度通常総代会は27日、赤崎町の同漁協本所で開かれた。28年度はサケなどの不漁で水揚げ計画を大きく下回ったが、経常利益として9811万6000円を計上。任期満了による役員改選も行い、岩脇組合長を再選した。本年度は、引き続き組合員の生活安定に貢献できる事業展開していくこととしている。
総代会には本人、委任状、書面合わせて総代114人が出席。岩脇組合長のあいさつに続いて、漁協事業功績者として大船渡町の佐藤文雄さんが表彰された。来賓の戸田公明市長が祝辞を述べたあと、議事に移った。
議事では、28年の事業報告や貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案などを承認。29年度の事業計画、理事・監事の報酬なども原案通り決めた。
報告によると、28年度は販売事業で採介藻漁業のウニ、アワビ、ナマコなどは海況に恵まれずに計画を下回るも、養殖漁業で価格安定に向けて積極的な販売努力を続けた結果、13億42万円の計画を上回る13億7261万円の取扱高となった。
漁業自営事業は、サケ漁の不振に加え、夏漁のブリ類、マグロ類、スルメ、サバの水揚げも前年を大きく下回ったことから、2億1500万円とした水揚げ計画の72%にあたる1億5485万円にとどまった。
経常利益は9811万円で、当期剰余金としては8190万円を計上。前期繰越剰余金を加えた当期未処分剰余金は8552万円で、利益準備金と特別積立金に計6300万円を充て、2252万円を次期に繰り越した。
29年度は、水産資源の減少、漁業就労者の高齢化、水揚額の減少など、市漁協や組合員の経営環境に一層の厳しさが見込まれる中にあって、長期的な展望に立って「安全・安心な水産物の安定生産」を柱にした持続可能な漁業の実現に向けて取り組んでいくこととし、▽水産物の安全性および品質の確保▽意欲と能力のある担い手の確保▽漁場環境の整備および生態系の保全▽浜の活力再生広域プランの実践▽地域営漁計画の実践──を重点項目に据えた。
また、予算統制と経費節減による低コスト事業運営体制の確立などを軸とした財務の健全化にも取り組んでいくほか、共済、購買、販売などの各種事業方針も決めた。
任期満了に伴う役員改選では、理事15人、監事4人を原案通り議決。総代会後の役員会で岩脇組合長が再選された。
改選された役員は次の通り。
▽代表理事組合長=岩脇洋一▽副組合長理事=亘理榮好▽理事=細川周一、小松勝政、小松茂樹、武田隆、吉田力男、佐々木謙一、新沼治、新沼晃、山口衞、小松旭出男、志田惠洋、志田精男、赤坂佳一▽代表監事=新沼與己▽監事=上部道義、佐藤洋志、東清喜