外国人観光客呼び込め、英語版ブログ開設/大船渡地域振興センター

▲ 昨年開設された英語版ブログ「KESEN&BEYOND」

 県沿岸広域振興局大船渡地域振興センターは、英語版インターネットブログ「KESEN&BEYOND」(http://visitkesen.wixsite.com/kesenandbeyond/blog)を開設し、管内観光スポットをPRしている。同センター管内や県に派遣されている国際交流員に地域の観光情報をブログで発信してもらうことにより、外国人観光客の増加につなげていく。本年度は、4回程度の投稿を予定している。

 

地域の観光資源をPR

国際交流員が執筆

 このブログは、気仙地域への外国人誘客の促進を図ろうと、昨年12月に開設。観光庁の統計によると、外国人観光客は個人のブログから事前に訪問先の情報を得ることが多い傾向にあることから、海外から派遣されている国際交流員に地域の魅力を掘り起こして発信してもらおうとの取り組み。
 国際交流員は、総務省、外務省、文部科学省、一般財団法人自治体国際化協会の協力の下で実施されている「語学指導等を行う外国青年招致事業(通称・JETプログラム)」により、日本に招致された国際交流に意欲のある外国青年。本県の国際交流推進、主に県民の外国文化理解促進のための国際交流活動への協力、地方公共団体の国際交流事務の補助、職員等への語学指導に従事している。
 現在、ブログの執筆を担当しているのは、陸前高田市と住田町、県の国際交流員計4人。昨年12月の開設以降、今年3月までに住田町の「滝観洞」と大船渡市三陸町綾里の「恋し浜ホタテデッキ」についての記事が投稿された。
 このうち、恋し浜ホタテデッキの記事は、県職員が取材した内容を国際交流員が英語に訳して発信している。
 ブログでは、現地のホタテが三陸の海の幸を代表するブランドということや、震災によって作業施設や漁場が被災したが、平成24年の冬に出荷を再開したことなどを紹介。スキューバダイビングを体験できることにも触れ、地域の観光資源をPRしている。 
 このほど県が公表した「岩手県観光統計概要」をみると、28年中の気仙地区への外国人観光客入込数推計は、大船渡市が651人で前年比15人増、陸前高田市は412人で同54人増、住田町は27、28年ともゼロ。両市への来訪者は、アジアや北米からが多い。
 気仙地区への外国人観光客入込数は増加傾向にあるものの、県内全体の外国人観光客入込数(28年推計で16万3230人)に占める割合はごくわずか。外国人観光客の多くは、世界遺産のある平泉など内陸部を訪れており、県では今後、インターネットブログを気仙への誘客の一助としていきたい考え。
 同センター地域振興課の古舘航主事(25)は「県内でもインバウンド(訪日外国人旅行)という言葉が広まりつつあるが、気仙地区への外国人観光客はまだ多くない。少しでも多くの方々が魅力を感じて、観光に来て地域の方々と交流を深め、地域の活性化につながっていけば」と話す。