お待ちかね釣果を満喫、アユ解禁の気仙川に活気(別写真あり)

▲ 初日ならではの期待感に胸を躍らせながら釣りを楽しむ人たち=陸前高田市

 陸前高田市と住田町を流れる気仙川で1日、アユ釣りが解禁となった。待ち望んでいた釣り人たちが早朝からさおを伸ばし、当たりの感触を満喫。川岸は彩りとにぎわいに包まれ、夏到来を告げていた。大船渡市を流れる盛川は、2日午前4時解禁となる。

 

「型は良い」と手ごたえも

 

 「アユの宝庫」として知られ、毎年7月1日の解禁日には内陸部からも多数の愛好者が訪れる気仙川。今年も薄暗い午前4時の解禁前から、川沿いには県外ナンバーを含む車両が並んだ。
 太公望たちはあらかじめ狙いを定めたポイント近くに陣取り、ゆっくりと竿をしならせた。時折降雨に見舞われたが、川に架かる各橋では地域住民が足を止め、夏の風物詩に目を細めていた。
 釜石市から訪れた津田博基さん(76)は、陸前高田市横田町の舞出橋付近に入り、友釣りを楽しんだ。同10時ごろまでには20匹近い釣果があり、仲間たちと笑顔を交わした。
 気仙川には30年以上通い続けているという津田さん。「20㌢を超える大きいのもあったから、まずまずかな。気仙川は川幅が広いし、釣りやすい。いい川だよね」と話していた。
 この日は午後に入り、蒸し暑さが広がった。盛岡地方気象台の観測によると、住田の最高気温は、28・5度(平年比4・7度高め)まで上昇。陸前高田は29・2度(前日比1・5度高め)、大船渡は29・9度(平年比7・1度高め)だった。
 気仙川漁協(高橋勲組合長)によると、解禁初日は例年を上回る約400人が楽しんだ。釣果をみると、友釣りではやや少なかったが、毛針釣りは多かった。
 また、各地で「型は良い」といった声が聞かれた。普段はあまり釣り人が見られない場所でも、釣り糸を垂らす光景が目立った。
 今年も解禁を前に、中間育成をした稚アユ1200㌔を放流するなど、資源確保を図った。県外愛好者からも問い合わせがあるといい、好漁に期待が集まる。同漁協では「もう一雨あれば、数も上がってくるだろう」としている。