一緒に活気生み出そう、KRFに向け初の「ロックフェスウィーク」

▲ 多彩な販売が今年も予想される飲食ブース(昨年の様子)=種山

 今月15(土)、16(日)の両日にわたって開催されるケセンロックフェスティバル(KRF)に向け、同実行委員会(村上健也委員長)は今年初めて、「ケセンロックウイーク」を企画した。8日(土)~16日に気仙の各商店や飲食店などで3000円以上の買い物、飲食をした場合、レシートや領収証と引き替えに、KRF会場内の飲食ブースで利用できる500円の食事券が得られる。実行委では「地元商業や観光を盛り上げる機会に」と、新企画に期待を込める。

 

気仙3市町であすから/3000円以上購入で食事券

 

 同フェスティバルは、国内外で活躍する著名なバンド、アーティストらが一堂に会するライブイベント。8回目を数える今年も、2日間にわたり計17組がステージに立ち、熱演を繰り広げる。
 自然を生かした体験企画や飲食ブース、テントを広げてくつろげるスペースも確保。今年も両日それぞれ、2000人を超す来場が予想される。
 実行委は、気仙3市町の有志を中心に構成。イベントの開催を通じて、地元商業や観光を盛り上げる機会をつくろうと、初めて「ウイーク」を企画した。
 8~16日の9日間に、気仙3市町の商店や飲食店などで3000円以上利用したKRFの来場者が対象。レシートや領収証を会場内の実行委本部に持参すると、1人1回に限り、会場内の飲食ブースで使える500円の食事券がもらえる。
 レシートは、利用した日付と店舗の住所が記載されていることが条件。複数レシートでの合算は不可とする。
 村上委員長(49)は「今年は新しい『まち』が大きく動き出したので、地域に貢献できる仕組みをつくりたいと思っていた。まち全体が喜び、盛り上がる形につながれば」と話している。

 

170707-6%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%83%bc%e3%82%af%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%92

2日間で400個用意し、1個1500円で販売が予定されるオリジナルデザインの木札=大船渡町

木札に思い込めて
かさ上げ地で再起の事業主

 

 気仙両市の土地区画整理事業によるかさ上げ地では、商業施設が続々とオープンを果たした。仮設店舗から本設への移行に、加速がみられる。
 大船渡市大船渡町では、昨年3月からホテルやスーパーなどが相次いで開業。今年4月29日には被災商業者らによるキャッセン大船渡、おおふなと夢商店街のテナント型施設もオープンした。
 かさ上げ地で営業を始めた中には、KRFに特別な思いを寄せる事業者も少なくない。キャッセンモール&パティオ内に店舗を構えるオリジナルクラフト・アジア雑貨「鬼椿市民雑貨店」の小泉洋オーナー(46)は、KRFのデザインを施した木札を制作し、当日会場での物産コーナーで限定販売する。
 木札の材質には、県産のエンジュ(槐)を使用。幸福を呼ぶ縁起のよい木とされ、古くからお守りや数珠などにも活用される。
 小泉オーナーは東日本大震災前、大船渡町内で飲食店を経営。KRFの前身で9年前に開催された「大船渡ロックフェスティバル」などにもかかわり、KRFにも飲食店ブースを出した。
 被災後は模索を続けたが、平成25年に大船渡町の夢商店街内で雑貨店の仮設店舗をオープン。新分野進出事業としてグループ補助を受け、昨年末には赤崎町に木工品を制作する工房を、4月にはキャッセン大船渡内に店舗をそれぞれ構えた。
 木札展開は今後、記念品としてさまざまなデザインに対応したい方針。「他では買えないもの、うちでしか買えないもの」をコンセプトに、特色ある店舗運営や木工事業での復興を目指す。
 小泉オーナーは「木工の仕事で、ロックフェスにかかわりたいと思い続けてきた。今は、とりあえずスタート地点に立てたという思い。今後もお客さんが大切にできるものをつくり、販売していきたい」と力を込める。