国内外の芸能団体競演 、8月にメーンプログラム /三陸国際芸術祭2017、大船渡の新たな商業地を会場に
平成29年7月7日付 1面

文化庁やNPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(以下、JCDN)など主催の「三陸国際芸術祭2017」は8月11(金)、12(土)の両日、大船渡市大船渡町でメーンプログラムが催される。開催4年目となる同芸術祭の今年の舞台は、東日本大震災から6年を経て〝まちびらき〟を迎えた新たな商業地。国内外から多数の芸能団体を招き、「見て体験」できる多彩なイベントで三陸の魅力を発信する。
2日間、約20団体出演
同芸術祭は、芸能が生活に根付く三陸文化の魅力を広く伝えるとともに、国内外の芸能継承者らが国境を越えて交流し、郷土を見つめ直すきっかけにすることなどを目的に開催。平成26年から毎年行われ、芸能関係者らの輪を広げてきた。
今年は、文化庁の戦略的芸術文化創造推進事業の一環で、県や観光、商工、各報道機関などが後援。損保ジャパン日本興亜などから助成を受ける。
会場となるのは、今春、第2期まちびらきが行われた大船渡町の津波復興拠点整備事業区域。特設ステージのほか、コミュニティースペースや須崎川周辺、千年広場などで各演目を展開する。
出演するのは約20団体。6日現在、気仙からは大船渡市の仰山流笹崎鹿踊り(大船渡町)、赤澤鎧剣舞(同)、門中組虎舞(末崎町)などの参加が決まっている。
このほか、宮古市の黒森神楽や、大槌町の金澤神楽、青森県八戸市の鮫神楽も出演。海外からは、インドネシアのチルボン仮面舞踊や、マレーシアのバジャウ族伝統舞踊など、各国を代表する芸能団体が訪れる。
気仙の権現舞組織による「にわかり」や、サンマののぼりなどを作るワークショップ、住民有志によるコミュニティーダンスなどの催しも予定している。
事務局によると、今回は、観客が各芸能を「見る」だけではなく、若い世代から大人まで「体験」できるプログラムを多数用意。バジャウ族の舞踊や獅子舞などを、継承者と交流しながら習うことで、言葉や鑑賞だけでは伝わらない芸能の面白さに触れる。
被災地の復興が進む中、今回の芸術祭には「地元の人が〝新しいまち〟とどうかかわっていくのかを考えるきっかけに」という思いも込められた。
JCDNの佐東範一代表は「芸能が生活の一部になっているという点で、三陸とアジアは共通する部分がある。関係者の交流を広げることで、日本に息づく文化を世界に示すとともに、地元住民の〝誇り〟につなげていければ」と、イベント成功へ意気込む。
芸術祭本番を前に、主催者では8月5日(土)~10日(木)の期間中、プレイベントを実施。芸術家・井上信太さんとのサンマ関連作品の制作や、参加者の魅力をダンスで引き出すコミュニティーダンスのワークショップなどを行う。
このほか、同16日(水)に三陸町越喜来で行われる「第43回三陸港まつり」との連携や、青森県八戸市での関連プログラム開催なども予定している。
メーンプログラムの詳細は、公式ホームページ(http://sanfes.com/)などで随時公開していく。
問い合わせは事務局(℡47・5123)へ。