住田町議補選/告示まで残り9日、「立候補ゼロ」に危機感

▲ 議会活性化のためにも補選の動向が注目されているが…=住田町

 7月18日(火)告示、23日(日)投開票の住田町議会議員補欠選挙は、告示まで10日を切った中でも立候補表明者がいない異例の展開となっている。一時起意を固めた女性は、家庭の事情などを理由に断念した。「立候補ゼロ」に危機感を示す町民も見られる中で、擁立への表立った動きはないまま推移している。

 

書類請求ないまま推移

 

 今回の町議補選は、町長選に立候補を予定している新人が、4月に町議を辞職したことから実施される。
 先月27日に立候補予定者説明会、今月5日に書類事前審査が行われたが、それぞれ町議補選への出席はゼロ。8日午前の時点で、町選挙管理委員会に届出書類を取りに来た人もいないという。
 先月、上有住に住む介護福祉士の女性(67)が起意を示したが、今月に入り「家族の健康上の問題」を理由に断念。この女性は「議会に女性の声が必要と思っていたが、実際に出馬するとなると難しさがあった。他に立候補するという話は聞かない」と話す。
 住民の中には「なんとかしなければ」と、告示ギリギリまで候補者擁立を目指そうとする動きも。世田米や上有住の議員空白区からの出馬を期待する声も聞かれるが、具体的な動きには至っていない。現町議の任期は、平成31年9月30日まで。町議経験者からは「この時期に無理して出すよりも、2年後に向けて今からしっかり考えるべきでは」との声も聞かれる。
 過去の町議補選をみると、現職と新人の一騎打ちとなった町長選に合わせて行われた8年前は、欠員1に対して立候補者は1人で無投票。12年前、16年前はいずれも欠員1に2人が立候補し、競争選となった。両補選時の町長選は、ともに無投票だった。
 仮に、今回の補選で当選者が出なかった場合、当面は欠員1のままとなる。欠員が2以下のままか、任期満了までに町長選がない限り、補選は行われない。
 町議会議員は年4回の定例会審議だけでなく、非公開が多い全員協議会などの場でも、当局と町政課題について議論を交わす。地域の顔として各種式典や会合に招かれる機会も多い。昨年4月時点での議員報酬は月額19万6000円で、27年度に支給された期末手当は3・3カ月分だった。
 現町議11人は全員男性。年代別にみると70代4人、60代6人、50代1人となっている。27年の町議選は定数12に対して立候補者は12人にとどまり、初の無投票に終わった。
 住民からは「議員定数を削減すべき」といった指摘も。一方、現職町議の一人は「常任委員会など、議場以外での活動も考えればこれがギリギリ」と語り、12人を維持する意義を強調する。
 町選管では随時、立候補に関する問い合わせや書類の事前審査に応じる方針。補選立候補者に、供託金納入の義務はない。
 届け出は18日午前8時30分~午後5時に、役場で受け付ける。問い合わせは選管事務局(℡46・2111内線217)へ。
 町長、町議補選では今回初めて18、19歳の投票が可能。
 今月3日時点での有権者は5100人(男2486人、女2614人)となっている。