〝ホコテン〟もよみがえる、高田町の「お天王様」で再開/陸前高田商工会青年部が出店・企画

▲ アバッセと「まちなか広場」の間にある本丸公園通りが、20、21日に歩行者天国となる=高田町

 陸前高田市高田町に鎮座する八坂神社の例祭「お天王様」挙行期間に合わせ、震災前の恒例であったまちなかの「歩行者天国」が復活する。陸前高田商工会青年部(長谷川順一部長)が中心となり、20(木)、21(金)の両日夜間、アバッセたかた脇の本丸公園通りで、夜店の出店や各種の催しを繰り広げる。

 同町のお天王様は、無病息災、家内安全などを祈願し、約500年前から続くとされる行事。本丸公園にある天照御祖神社と、飛地境内社である八坂神社の間で神輿(みこし)が担がれる。毎年7月15日に神輿渡御を、22日に還御するのがならわしで、震災のあとは規模を縮小しながらも氏子らが伝統をつないできた。
 震災前は、期間中に同町大町や荒町の通りを歩行者天国とし、踊りや生け花、カラオケ大会などさまざまなイベントも行われてきたが、この7年間は休止されたまま。
 男性たちが神輿を担ぐ様子と、夜店がずらりと並ぶ光景を「セットでお天王様」と考える市民は多い。子育て支援にあたる同市のNPO法人きらりんきっず(伊藤昌子代表)は震災後、「夜店の雰囲気や祭りの楽しさを、今の子どもたちにも味わわせてあげたい」と、親子らを対象とした「夕涼み会」を企画してきたほどで、かつてのにぎわいの復活は地元住民に切望されていた。
 こうした中、同青年部の中でも今春「歩行者天国を再開しよう」という機運が高まった。背景には、大型商業施設を中心とした新たな市街地が形成され始め、まちなかでのイベント開催が可能となったことがある。
 同部は地域振興部会(伊東亜希子部会長)を中心に、焼き鳥やビールなどを販売する屋台、射的や型抜き、スーパーボールすくいといった夜店の開設、ストリートライブ、ラムネの一気飲み大会といった催しを企画。陸前高田まちなか未来プロジェクトグループと、陸前高田青年会議所(JC)も共催。JCは、お天王様の時に実施していたバスケットボールの3on3(スリーオンスリー)を再開し、イベントを盛り上げる。
 同町出身の伊東部長(35)自身も子どものころ、お天王様の期間中に歩行者天国へ遊びに行けることが楽しかったという。「大人には懐かしく感じてもらえるだろうし、子どもたちにとっては今まで知らなかった体験。今年の再開をきっかけに、毎年楽しみにしてもらえるようなイベントにできれば」と語る。
 両日とも午後7~9時までの開催。アバッセ脇(居酒屋「俺っ家」付近~駐車場の突き当り)が歩行者天国となるのは午後4~10時の間なので注意を。中学生対象の3on3は20日のみ、ストリートライブは21日のみの実施となる。
 また、アバッセの専門店街の一部もこれに合わせ、閉店時間を午後9時まで延長して営業する。