浪板海水浴場で「海開き」、震災後初・気仙第1号に/大船渡市

▲ 22日に震災後初の海開きが行われる浪板海水浴場=三陸町越喜来(写真は昨年の「うみびらき」)

 大船渡市は13日、三陸町越喜来にある浪板海水浴場の「海開き」を22日(土)に催すと発表した。東日本大震災発生以降、気仙の海水浴場で海開きが行われるのは浪板が初。同日は午前10時から神事とイベントを計画しており、8月20日(日)まで海水浴客を受け入れる。一方、浪板とともに海開きを予定していた同町の吉浜海水浴場は、海中に多数のがれきが確認され、海水浴客の安全性が確保できないとして、今年は見送ることとした。

 

22日に神事とイベント
吉浜開設は見送りへ

 

 市内で市が開設者となっている海水浴場は、三陸町の浪板、吉浜、綾里白浜の3カ所。市観光推進室によると、震災前は1シーズン当たり吉浜に約1万人、白浜に約5000人、浪板に約3500人の海水浴客が訪れていたという。子どもたちを中心とした地域住民をはじめ、市外の観光客らによる利用もあり、海のまち・大船渡ならではのにぎわいを生み出していた。
 しかし、6年4カ月前の震災で状況は一変。津波によって海水浴場周辺の海岸施設は被災し、海底にはがれきが堆積するなどの大きな被害に見舞われ、海水浴場の開設は休止せざるを得なくなった。
 その後、各海水浴場では市や県による復旧・復興関連工事、地元漁業者とボランティアダイバーらが連携しての海底がれきの撤去などを展開。市民らが安全に海水浴を楽しめる環境を確保すべく、作業を進めている。
 このうち、浪板では復旧・復興関連工事やがれき撤去が完了。昨年には、一般社団法人大船渡青年会議所が一日限りの「うみびらき」イベントを実施し、子どもたちが海水浴や海と親しむ体験を楽しんだ。
 市は砂浜や海中の安全性が確認できた浪板について、22日に海開きを行うことを決めた。当日は午前10時から神事、子ども向けゲームを予定している。雨天決行。
 開設期間は8月20日までで、時間は午前10時~午後4時。施設の清掃や監視業務は、市観光物産協会に委託する。津波の発生が予想される場合は監視員が避難を呼びかけ、高台へ誘導する。
 当初、市は海開きに合わせてトイレ・シャワー室を新設する計画だったが、今シーズンは仮設トイレで対応。来月下旬に工事発注を予定し、来季に備えるとしている。
 一方、浪板とともに海開きを予定していた吉浜は、実施を見合わせる。市は今月上旬、海中概況と砂浜の現況を相次いで調査。その結果、震災前は砂地が続いていた海中では、岸から20~30㍍までの海底で砂地に石や岩が転がり、海藻が繁茂していたことが判明。直径約20㌢、長さ5㍍以上にわたるホースなどの埋没、大型の鉄板も多数見つかったという。
 砂浜にも、波で打ち上げられた大量の海藻やコンクリートガラ、鉄筋、鉄骨、一般ごみなどを確認。これらは海岸管理者の県が撤去したが、海中はダイバーらによる手作業では処理ができず、海水浴客の安全確保が困難であることから、今年は開設しない判断をとった。
 今後は来年の海開き実現を目指し、改めて海中がれきの詳細調査を行い、復興交付金などを活用した撤去作業を検討。計画していたトイレ・シャワー室の建設工事は、基本的には年度内の発注を目指すが、開設時期を見据えて対応する考えだ。
 白浜は現在、後背地に防潮堤を建設する復興関連工事を施工中。工事完了は31年3月の予定で、市はその後に海中概況調査を行い、安全が確認できれば32年度の開設を見込んでいる。
 戸田公明市長は「復興工事とともに海水浴場が少しずつ利用される状況になっていくように進めているが、まずは1カ所、浪板がオープンになるのはうれしく思う。吉浜、白浜も一生懸命頑張り、市民が海水浴を楽しめるような環境をできるだけ早くつくっていきたい」と話している。