種山包む青空と歓喜、ケセンロックフェスティバル/きょうまで

▲ 青空の下で手を突き上げ、音楽を堪能する来場者=住田町
初出演を果たしたDizzy Sunfistのステージ=同

初出演を果たしたDizzy Sunfistのステージ=同

 「ケセンロックフェスティバル」(KRF、同実行委主催)は15日、住田町世田米の種山ヶ原イベント広場で始まった。初日は、9組のアーティストが出演。夏の青空に恵まれた中、県内外から多くの音楽ファンが詰めかけ、種山の自然を満喫しながら感動的なステージに酔いしれた。16日も8組が出演し、音楽で熱く彩る。
 普段は静けさが広がる種山が一変し、人々が飛び跳ね、手を突き上げながら熱気に包まれる2日間が今年も始まった。過去の開催から「KRFは雨」で知られるが、開幕時は見事に裏切る青空がステージを包み込んだ。
 開催を心待ちにしていた県内外の音楽ファンは、再訪の喜びを込めて晴れやかな表情で来場。音楽ジャーナリストで実行委メンバーとも親交が深い鹿野淳氏のDJステージに続き、初登場のDizzy Sunfistが活気を呼び込んだ。
 出演を終えたボーカル・ギターのあやぺたさんは「みんな楽しんでくれて、こちらも気持ちよかった。また来年も来ることができるように頑張りたい」と語り、笑顔を見せた。
 さらに10―FEETが続き、ホリエアツシのステージでは他バンドメンバーとの共演も。HAWAIIAN6、ASPARAGUSなどの演奏では、来場者を熱狂の渦に巻き込んだ。
 ステージだけでなく、気仙の特産品コーナーや飲食店ブース、物販テントも充実。来訪者と気仙の出店者が談笑しながら交流を深め、和やかな雰囲気が広がった。
 リピーターの多くは、テントでゆったりと過ごしながら種山の自然を満喫。夏本番の熱気に包まれる中で、草木の上を吹きわたる風が心地良さをもたらした。
 北上市から訪れた川村みづきさん(27)、桂さん(24)姉妹は昨年に続く〝参戦〟。「アーティストとの距離が近く、一体になってKRFに参加している感じ。音楽を楽しみながらゆっくりと過ごすことができ、良いところしかないフェス」と話していた。
 KRFは、平成20年に大船渡市で開かれた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」が前身。翌21年、22年とKRFとして種山で開催してきた。
 23年は東日本大震災の影響で開催を見合わせたが、24年に復活。以降、地域の若者が中心となって実行委組織を運営し、その情熱に早期復興を願う人気アーティストが集結するロックフェスとして定着している。
 16日も午前9時30分開場、10時30分開演で、TILITILI、locofrank、マキシマムザホルモン、MONOEYESなど8組が出演。2日間で延べ約4500人の来場が見込まれ、地元内外のボランティアスタッフ延べ1000人が運営を支える。