港湾の利便性向上図る、コンテナ用上屋倉庫完成/大船渡市

▲ 大船渡港に完成したコンテナ用上屋倉庫=大船渡町

8月から本格供用へ

 

 大船渡市が大船渡町野々田地内に整備を進めてきた「大船渡港コンテナ用上屋倉庫」が完成し、8月に本格供用を開始することとなった。これまで対応できなかったコンテナ貨物の一時保管や小口貨物などの取り扱いが可能となり、市はポートセールスなどで利用をPRし、コンテナ取扱量の増加や港湾の利便性向上につなげていきたいとしている。
 東日本大震災の発生で、国際コンテナ定期航路の休止を余儀なくされていた大船渡港。平成25年、京浜港とを結ぶ国際フィーダーコンテナ定期航路として再開した。
 主な取り扱い品目は、輸入が建築部材や牧草などで、輸出は紙類、プラスチック類、冷凍魚など。28年度のコンテナ貨物取扱量(実際に荷物が入った実入りのみ)は、1692TEU(輸入783TEU、輸出909TEU)と航路新設後で最多となった。
 市はコンテナ貨物の確保を目指し、関係機関とともに積極的なポートセールスを展開。一方、荷主企業などからは貨物保管能力の不足などにより、一時保管や荷さばきができる上屋の整備が求められていた。
 そこで、日本財団と助成契約を締結し、野々田ふ頭南側の敷地(面積4438・46平方㍍)にコンテナ用上屋の整備を計画。当初は27年12月の完成予定だったが、資材価格の高騰などを受けて同年の建設工事入札は不落に。当初計画の施設規模では財源確保も難しいため、計画内容を見直して縮小し、整備することとした。
 施設は鉄骨造平屋建て(建築面積2062・29平方㍍)で、ストックヤード(面積1094・52平方㍍)、屋外荷さばき場(同844・01平方㍍)のほか、事務棟、駐車場(18台分)を整備。設計費、工事費、施工監理費などを含む総事業費は3億7093万円で、すべて日本財団からの支援金でまかなわれる。
 設計はパシフィックコンサルタンツ㈱、施工は㈱佐賀組が担当し、昨年10月末に着工。工期は今年3月末までだったが、建物基礎部などで追加工事が必要となり、6月末に延長した。その後は予定通りに進み、完成検査を経て今月14日に市へ引き渡された。
 今後は、今月末までにフォークリフトなどの備品を整備し、8月から本格供用を開始する予定。同月末には、日本財団の助成を受けた周辺施設(大船渡湾冷凍水産加工業協同組合の新冷蔵施設など)と合同の記念式典も計画している。
 上屋倉庫の完成により、港内で貨物の一時保管ができ、配送センターとしても利用が可能。利用企業にとっては他港に輸送する際、内陸部などに設けていた一時保管場所へ運ぶ手間が省け、労力の削減や時間短縮につながる。また、小口貨物を組み合わせてコンテナに積み込めるため、取扱量の増加にもつながると期待される。
 市商工港湾部企業立地港湾課の武田英和課長は「利便性が上がる施設であり、コンテナの取扱量増につながるもの。今後、官民連携によるポートセールスの場などでPRを図り、大船渡港におけるコンテナ取扱量の増加に向けて取り組んでいきたい」と話している。