夏の高校野球岩手大会/大船渡東 準決勝で涙、久慈に4─6と惜敗(別写真あり)
平成29年7月22日付 7面

第99回全国高校野球選手権岩手大会は12日目の21日、盛岡市の県営球場で準決勝2試合が行われた。気仙期待の大船渡東は、今春の県大会準決勝で敗れた久慈と対戦。序盤に志田の3点本塁打で逆転し、試合のペースをつかんだかにみえたが、中盤に再逆転されたまま終盤にリードを広げられた。八、九回と連続して一打同点の場面をつくったものの、あと一本が出ず4─6と惜敗。気仙勢としては、平成10年の大船渡以来となる決勝進出はならなかった。
志田が2回に逆転3ラン
終盤の得点機生かせず
シード校同士の沿岸対決となった準決勝。大船渡東は初回、先発・岩城が久慈の3番・高柳に右越2点本塁打を浴び、今大会5試合目にして初めて先制点を許した。
続く二回、大船渡東は先頭の4番・山﨑、5番・尾﨑の連続安打で無死一、二塁とし、1死後、7番・志田が初球を叩いて左越3点本塁打を放ち、一気に逆転した。
三回に1点を奪われ同点とされたが、四回、1死一、三塁から志田の内野ゴロの間に1点を追加し、勝ち越した。
試合の流れをつかんだかにみえた大船渡東だったが、六回、内野安打で出塁を許し、失策で1点を返され、さらに単打で1点を失い逆転を許すと、七回にも1点を奪われ、2点差とされた。
五回から無得点に抑えられていた大船渡東は、八回、3番・佐藤啓、尾﨑の安打などで1死満塁としたが、次打者が併殺打に倒れ、得点チャンスを逃した。最終回にも、代打・今野の四球、代打・菅野、野々村の連続安打で再び1死満塁とし、一打同点の場面をつくったが、後続が断たれ、涙をのんだ。
大船渡東の眞下徹監督は「三回の点を取れる場面で取れなかったのが響いた。ここぞという所で取れなかったのが敗因。最終回で4番まで回せれば」と悔やむも「ここまで、子どもたちは大きく成長した」と健闘をたたえた。
野々村和樹主将は「自分の力不足。チームはみんな頼れるメンバーだった。甲子園まで引っ張っていけずに申し訳なく思う。親や地域の人たちに恩返しできなかったが、最後まであきらめないプレーを見せることができた」と顔を上げた。
▽準決勝
大船渡東
030100000|4
20100210x|6
久 慈
(大)岩城、佐藤飛─尾﨑
(久慈)宇部、高柳、中田─宇名澤
⚾本塁打=志田(大)高柳(久)
⚾二塁打=蔵、宇部(久)

無念の準決勝敗退。決勝進出にあと一歩届かず涙を流す大船渡東ナイン=同
決勝進出を願って声援
大船渡東の応援団
平成20年度の開校以来初、気仙勢としては同18年の大船渡以来となるベスト4進出を果たした大船渡東。この日、一塁側の大船渡東スタンドには約400人の全校生徒と学校関係者、野球部OB、父母らがつめかけ、選手の一投一打に声援を送った。
OBの花崎尚さん(20)は「自分たちも3年生の夏は県北勢に敗れた。きょうは勝ってほしかったが、いい試合だった。選手たちは本当によく頑張ってくれた」と、目に涙を浮かべながら後輩の活躍をたたえた。