五葉地区でも不安の声、三木・ランバー問題住民説明会/住田町

▲ 事業体のあり方も話題に上った説明会=五葉地区公民館

 住田町による三陸木材高次加工協同組合(三木)と協同組合さんりくランバー(ランバー)への融資金などの対応を巡る住民説明会は26日夜、五葉地区公民館で開かれた。町側は調停を行って債権整理を進めることで事業継続につなげる流れに理解を求めたのに対し、住民は不安や厳しい意見を寄せた。
 町は、両事業体への融資残額や町有林原木未納額など約10億7700万円の支払いを求め、両事業体や連帯保証人を相手に調停に向けた手続きを進めている。説明会は24日の下有住地区、25日の大股地区に続く開催で、地域住民や町議ら20人余りが出席した。
 町側は多田欣一町長と横澤孝副町長、千葉純也林政課長らが並んだ。説明では、町債権の状況や赤字となった両事業体の平成28年度決算、調停に至った経緯、今後の進め方について示された。
 この日も住民からは、理事をはじめ事業体関係者が説明役として姿を見せないことに不満を示す発言が出た。町側は、同じく木工団地を形成するけせんプレカット事業との一体経営を目指しているが、「一体経営でも赤字は続くのでは。今はどこも人手不足で、従業員は雇ってくれる。(三木、ランバー両事業体を)つぶしてもいいのでは」との意見もあった。
 多田町長は、仮に両事業体が倒産すれば、融資金などはほとんど戻ってこないと指摘。「プレカットの経営能力、事業運営ならば『勝算あり』という流れになりつつある。ただ、町の融資金など10億円余りは面倒を見切れず、金融機関からの債務2~3億円はなんとかできるとの見込みがあるようだ」と語った。
 町債権に関しては、連帯保証人が負担可能な範囲の中で支払ってもらうために調停を行うと説明。「事業継続が最善であり、気仙全体の木材産業も守らないといけない」と、理解を求めた。
 このほか「(平成19年度の)融資時の説明も、融資をすると議会で決めたあとで説明に回った」と町の対応に不満をにじませる声も。両事業体では新代表理事就任に伴う変更登記を終えておらず、現在も申し立て手続きに入っていない状況が話題に上り、「このままズルズルと対応が遅れていくのでは」との不安も寄せられた。