浜の魅力を都市部の若者へ、地域振興関係者が9月に移住体験ツアー企画/大船渡市

▲ 参加者募集用のポスターを持ちツアー成功を誓う関係者ら

 大船渡市の地域振興関係者らでつくる「大船渡移住定住促進プロジェクト」(佐々木淳代表)は9月16(土)、17(日)の両日、同市三陸町綾里の小石浜地区などで、首都圏や県内の若者向けの移住体験ツアーを実施する。浜の魅力を伝えながら将来的な人口拡大や産業振興などにつなげようとの狙いで、スタートに向けて準備を進めている。
 同プロジェクトは、綾里漁協小石浜青年部(佐々木淳部長)や、市結婚相談・支援センター(前野純一センター長)などの関係者らで構成。少子高齢化に伴う人口減少や働き手の不足という沿岸の現状を受け、「持続可能な地域づくりに寄与しよう」と、本年度から本格始動した。
 今回のツアーは、主に首都圏や県央に住む若者をターゲットに企画。浜の暮らしや仕事に興味のある人たちに参加を呼びかけ、海の魅力発見や移住体験の機会をつくり、U・Iターンのきっかけを生む。
 29日現在の予定では、初日に漁場見学やダイビングの体験、一般住民を巻き込んでのバーベキューの会を実施。2日目はホタテの出荷作業見学・体験や、大船渡町の大船渡市魚市場で行われる「三陸・大船渡さんままつり」への参加などが計画されている。
 ダイビング体験では、三陸町越喜来のダイビングショップ「みちのくダイビングRias」の佐藤寛志さんが指導協力。
 市結婚相談・支援センターでは、小石浜地区が恋愛スポットであることにちなみ、ツアー参加者と地域住民の〝出会い〟創出にも期待をかける。
 プロジェクトでは、ツアー成功に向けた一般向け説明会を6月に東京都で行ったほか、8月6日(日)にも花巻市内で予定。インターネット上にはフェイスブックページ(https://www.facebook.com/koishihama/)を設け、情報提供や参加受け付け(9月1日締切)などに対応する。
 佐々木部長は「現在、小石浜地区の漁業者は30~60代で、担い手が確保できていない状況。若者不足は地方自治などにも関係し、今からできることをしていかなければ」と決意をのぞかせる。
 また「浜のいい部分だけを強調するのではなく、ありのままのこちらの生活を参加者に見てもらいたい。その上で〝この場所っていいな〟と思ってくれる人が増えれば」と願っていた。
 ツアーの定員は10人。プロジェクトに関する問い合わせは同センター(℡22・7582)へ。