橋本氏は〝選定漏れ〟、新区割での支部長案決定/自民党県連
平成29年8月1日付 1面

次期衆院選に反映
自民党県連(千葉伝会長)は29日に盛岡市内で総務会を開き、衆議院小選挙区の新しい区割りに対応した県内小選挙区支部長3人を選定した。県内選挙区が4から3に減り、気仙や両磐地区などで構成していた旧3区が新しい2、3区に分割された中、気仙を含む新2区の支部長には元環境大臣の鈴木俊一氏(64)=8期、一関や奥州などの新3区は藤原崇氏(33)=比例2期=を選んだ。大船渡市出身で旧3区を地盤とし、新2区からの次期立候補を希望していた橋本英教氏(49)=比例2期=は、選定から漏れる形となった。
これまでの自民県連の選挙区支部長は、旧1区が高橋比奈子氏(59)=比例2期、同2区が鈴木氏、同3区が橋本氏、同4区が藤原氏。鈴木氏以外は平成24年、同26年とも小選挙区で敗れ、比例重複立候補での復活当選だった。
改正公職選挙法による区割改定で、本県の小選挙区が4から3に減るのに伴い、県連では選挙区支部長選定を調整してきた。支部長就任は党公認内定とほぼ同義となるもので、事前聴取では高橋氏が新1区、鈴木氏と橋本氏が同2区、藤原氏は同3区との意向を示していたという。
同日の総務会では、各支部から出された意見を踏まえ、新1区は高橋氏、同2区は鈴木氏、3区は藤原氏とする党本部への上申案が了承された。
比例枠については、新3支部長の比例重複立候補を念頭に4枠の確保を党本部に求める方針。支部長以外の1人分について千葉会長は「その1枠がどなたかは、これから党本部と調整しながら進めたい」と説明し、橋本氏を優遇する考えを否定した。
橋本氏をめぐっては6月下旬、女性関係や健康問題にかかる記事が週刊誌に掲載され、昨年中には旧3区内の一部市町村支部長から橋本氏の交代を求める嘆願書が党本部に出されていたことも明らかになった。橋本氏は迷惑をかけたとして先月中に県連副会長を辞任している。
同氏は30日夜、大船渡市内で支持者との座談会を開いた。選挙区支部長の〝選定漏れ〟については、「わたしの扱いについては党本部に一任する。『比例代表に回ってください』ということだと受け止めている」と語った。
そのうえで、「無所属でも出るとなれば、分裂選挙となって民進党に議席を取られてしまう。絶対そうはならないよう党本部で調整する。必ずまた議員バッジを着けて被災地のため、大船渡のために仕事をするよう努力していく。いままで通り支援をお願いしたい」と比例での挑戦に意欲をにじませていた。
安倍内閣の支持率低下、民進党の蓮舫代表と野田佳彦幹事長の辞任など、中央政界が揺れ動く中、30年12月の任期満了まで1年半を切って年内解散の憶測も流れる。
自民県連は早急に新区割での体制構築を図る考え。一方、民進、共産、自由、社民の野党4党の県組織はこれまでに、統一候補として新2区で元衆院議員の畑浩治氏(53)=久慈市=をたてることに合意。民進党県連代表で陸前高田市出身の黄川田徹氏(63)=6期=は、自由党代表の小沢一郎氏(75)=16期=の地盤の3区総支部長となっており、共闘の中でどのように調整を図るかにも注目が集まりそうだ。