今こそ恩返しを、野球部がボランティア/高田高校

▲ スコップや長靴などを抱え、部員たちが被災地に向かった=高田町

 陸前高田市の県立高田高校(菅野慎一校長、生徒485人)の野球部は1日、7月22日からの記録的な大雨により被害を受けた秋田県大仙市でボランティア活動を行った。同県の高校とは練習試合などで交流があり、震災時にはたくさんの支援も受けた同校。部員たちは「今こそ恩返しをする機会」と熱心に活動し、住宅に入り込んだ泥を出す作業などに汗を流した。

 

秋田豪雨災害の被災地で

 

 ボランティア活動には、引退した3年生も含む53人と引率の教員2人が参加。1日は現地のボランティアセンターが提示した受け入れ可能日であり、ちょうど課外授業や練習試合などの予定がなかったことから今回の活動が実現した。
 部員たちは、自前のスコップと長靴を持ち、同日早朝に高田高校を出発。キャプテンの蒲生潤君(2年)は、「震災時は支援やボランティアを受ける側だったが、今回はする側。自分たちは被災のつらさを分かっているので、今度は助けてあげられたら。感謝と恩返しの気持ちで頑張りたい」と熱を込めた。
 秋田県の大仙市災害ボランティアセンター西部から、当初の予定通り同市協和峰吉川地区へ派遣されたほか、参加者のうち17人が車で30分ほどにある別の地区で作業にあたることとなった。
 このうち協和峰吉川地区では、少人数のグループに分かれ、住宅街の各地で活動を展開した。部員たちは、住民の指示を仰ぎながら、畳や燃えるごみなどの片付け、泥出しといった力仕事を担当。女子マネジャーは掃除を担うなど、それぞれが自分の仕事に一生懸命取り組んだ。
 住民の中には、部員たちが陸前高田からやってきたと知って「遠いところからありがとう」と声をかけたり、「暑い中ご苦労さま」と励ましたりする人の姿があったといい、支え合いの輪も広げた。