「私の宝は職員の力」 4期16年の多田町長が退任/住田町

▲ 花束を手に役場を後にする多田町長=住田町

 平成13年から4期16年務めた多田欣一住田町長(72)が4日、任期満了を迎えた。多田町長は職員らにさらなる町政振興に期待を込めたメッセージを送ったあと、思い出多き役場を後にした。
 退任式は役場町民ホールで午後5時30分から開かれ、職員ら約110人が出席。多田町長は「4期16年間、やりたいこと、やらなければいけないことがたくさんあった。すべて実績、成果として表れたとは言い難いが、皆さんには大変な協力をいただいた」と振り返った。
 さらに「これからもつらいこと、苦しいこと、厳しいことがたくさんあると思うが、夢を捨てず、希望を持って前に進んでほしい。私の宝は職員の力。素晴らしい栄光がこのあとも続くように、職員の皆さんのさらなる頑張りに期待する」とエールを送った。
 引き続き、横澤孝副町長が「町長には『想像力を持って仕事をしなさい』と教えられ、あきらめない心を学んだ。決断の毎日だったと思うが、町長の決断力は東日本大震災時にも大きく生かされた」などと感謝の言葉を述べた。
 式後は、町職員厚生会などの代表者が多田町長に花束を贈呈。職員らが盛大な拍手を送る中を歩き、笑顔を交わしながら役場を後にした。
 多田町長は平成13年、町総務課長を辞して町長選に立候補し、無投票で初当選。連続4期は昭和30年からの町制下では最長となる。
 市町村合併の波が押し寄せた1期目に「自立」を選択。「森林・林業日本一の町づくり」を掲げるなど、豊かな自然資源・歴史を生かした産業振興やまちづくりに力を入れてきた。
 東日本大震災の発生を受け、独自に木造仮設住宅建設を決断するなど、気仙両市の後方支援も積極的に展開。木造庁舎の役場建設、まち家世田米駅の整備など、全国的にも注目される足跡を残した。
 5日から任期が始まる神田謙一新町長の初登庁は、7日(月)の予定。初日は午前8時30分ごろ役場に入ったあと、職員向けの就任あいさつなどを予定している。