13日の成人式で贈呈、木製カードケース/住田町

▲ 住田のこだわりが込められた木製カードケース=世田米

 住田町の平成29年度成人式は13日(日)午前10時から、同町役場町民ホールで行われる。今年は、町が進める「木いくプロジェクト」の一環で、木製カードケースを出席した新成人に贈呈。町内に工房を構える木工作家がつくり、デザインや機能性など随所に住田産材としてのこだわりが光る。関係者は若者たちが古里に誇りを持ち、活躍する先々で魅力を広く発信してほしいと願いを込める。

 

誇りを持ち魅力発信を
「木いく」の一環で作成

 木いくプロジェクトは27年から本格化し、森林資源を生かした活性化策を検討。将来的な商品化も見据えながら新たなデザインを考えるなど、多彩な取り組みを進めてきた。
 これまで、学校用机・いすの新調に加え「はぐもっく事業」も展開。新生児の誕生祝い品として、離乳食用の木製スプーンとケースのセット、さらに玩具1点をプレゼントしている。
 プロジェクト内では前年度、新成人に対する贈呈品の企画が生まれ、同年代の大学生らにアンケート調査などを実施。社会に出ても、名刺を入れて活用できる木製カードケースの贈呈を決めた。
 今年6月ごろから製作を進めてきたのは、同プロジェクトに参画する世田米在住の木工作家で「アトリエリトア」代表の大村圭さん(43)。はぐもっく事業での玩具づくりも担っている。
 地元産のケヤキやナラ材を組み合わせ、一つずつ丁寧に作業。オイルライターのように上部のふたの片側が本体と連結され、片手で開閉できる。大村さんは「閉めるときの、木製ならではの音が響くのも特徴」と語る。
 「自分でも欲しいと思えるものを」と、大村さんは洗練されたデザインと使いやすさを追い求めた。目にした人々からは好評の声が寄せられ、一般販売の動きも進む。
 住田産材による加工や、住田で生きる職人のこだわりが込められた「SUMITA WOOD WORKS」の焼き印も。一つずつ木目模様が異なり、使い重ねることで塗装も自分だけにしかない色合いに変わっていくという。
 大村さんは「名刺を交わしたときに『それ、いいね』と言われて住田の話題で会話が弾むような機会が生まれれば。自分のまちでつくられたことにも、誇りを感じてほしい」と、期待を込める。
 住田町の成人式は、毎年夏の帰省時期に合わせて開催。町と町教育委員会が主催する。
 本年度の対象は、平成9年4月2日から10年4月1日までに生まれた同町出身者と町内在住者総勢39人(男性19人、女性20人)。町民ホールでの式典には新成人や小中学校時代の恩師ら約100人の出席が見込まれる。
 終了後は、庁舎内の交流プラザに会場を移し、新成人の地元有志による実行委員会主催の交流会が続く。「味わい知る、ふるさとすみた」と題し、住田産食材を使ったメニューを囲み歓談する。