民有地の仮換地が終了、今泉地区土地区画整理審で被災者の移転先確定/陸前高田市

▲ 民有地の仮換地指定をすべて承認した審議会=竹駒町

 陸前高田市の第11回今泉地区「被災市街地復興土地区画整理審議会」(委員長・南正昭岩手大学地域防災研究センター長)は29日、竹駒町のUR都市機構陸前高田復興支援事務所で開かれた。同地区の民有地およそ27万6567平方㍍の仮換地指定が同日で終了し、被災者の移転先などがすべて確定した。
 同日は委員15人中13人が出席。はじめに4回目の事業計画変更と、評価員選任についての報告があった。
 このうち、事業計画変更では、山側からの土石流対策による道路線形の変更や緑地の見直し、雨水排水対策による水路幅の変更など、一部の整備箇所や整備スケジュールの見直しを行い、総事業費を約645億円から約760億円に変更。また、評価員として仙台国税局大船渡税務署の小原陸弘統括国税調査官を選任したとした。
 仮換地指定の軽微な変更に関する報告と、仮換地指定変更、仮換地指定の2議案の審議は非公開で実施。
 同市復興局の熊谷正文局長によると、今回新たに仮換地指定を承認したのは3人組で、対象となる524人組の指定がこれで完了。同じく区画整理事業が進む高田地区でも、7月に行われた土地区画整理審議会で民有地の仮換地指定がすべて終了しており、東日本大震災の発生から6年と半年を迎えるに先立ち、同事業における被災者の移転先がすべて決まったことになる。
 今泉地区では今年6月に高台⑥を、7月に高台⑤北で使用収益を開始しており、秋にも高台⑤南の引き渡しを予定。高台部での生活再建が徐々に進み始めている。
 熊谷局長は「仮換地こそ全部決まったが、工事スケジュールを現在お示ししている期間内で終わらせ、一日も早く皆さまにお引き渡しできるよう、関係者とともに工夫しながら努めてまいりたい」と表情を引き締めた。