定住意識向上テーマに、達増知事と意見交換/ 住田で県政懇談会 (別写真あり)

▲ 達増知事㊧を囲み意見交換=住田町役場

 達増拓也知事が復興や被災者支援などに取り組む人々と意見を交わす県政懇談会「がんばろう!いわて」は8日、住田町役場で行われた。「定住意識向上に向けた地域の魅力発信について」をテーマとし、各出席者は現在所属している企業・団体での取り組みを紹介しながら、将来展望を知事に寄せた。
 気仙での懇談会は昨年5月以来。金田愛さん(アローリンクス㈱ コンテンツ事業部主任)越戸浩貴さん(一般社団法人マルゴト陸前高田理事、特定非営利活動法人高田暮舎副理事)前川十之朗さん(みんなのしるし合同会社代表社員)松田千秋さん(図書ボランティアま~ぶる代表)松本玄太さん(特定非営利活動法人LAMP代表理事、一般社団法人SAVE TAKATA理事)の5人が臨んだ。
 県側では、知事のほか保和衛秘書広報室長、桐野敬沿岸広域振興副局長が出席。佐々木茂光県議会議員も懇談を見守った。
 達増知事は「今後の県政の参考にしていきたい」とあいさつ。5人は自己紹介後、これまでの活動、生活を通じた人口増や地域振興への考えを述べた。
 金田さんは、大船渡市の魅力を広く発信する投稿参加型の情報ウェブサイト「おおふなこポータル」を通じた魅力発信などに取り組んでいる。「小さいまちながらも、どんどん発信していくことが大事。女性が楽しむまちには、おのずと人が集まってくる」と、今後の活動充実に向けた意欲を込めた。
 移住・定住促進や交流人口拡大策に携わる越戸さんは「活動を通じて地域の人たちの主体的な郷土愛を、もっと醸成させていくことができれば」と発言。単なる市外からの流入にとどまらず、住民が地元の良さを再認識していく流れの重要性を強調した。
 三陸国際芸術祭などを運営してきた前川さんは「郷土芸能は生活の営みの中で生まれる芸術。小さい集落の魅力を外に向けて発信することで、短期移住者確保にもつながる。この沿岸を、世界各地の地域芸能が目指す場にしたい」と語った。
 読み聞かせなど、地域に根ざした活動を進める松田さんは「住田で暮らしている人たちが住田を好きになると、みんなニコニコした表情になる。そういう姿を外から見ると、とても魅力的に感じるのでは」と、地域を思う心の大切さにふれた。
 移住者であり、米崎リンゴを生かした地域活性化を目指す松本さんも「そこに住んでいる人たちが、いきいきと安心して暮らせるのが大事。今そこにある小さなエネルギーを大切にして、少しずつ大きくしていくことで、産業振興や移住・定住増につなげたい」と発言。新規就農者が参入する難しさなど、現状の課題にも言及した。
 知事は「心強い話をいただき、有意義なものとなった」と語り、出席者がかかわる各種活動の活性化に期待を寄せた。