末崎町小河原地区の産業用地、10月予定の施設着工に向け/大船渡市

▲ 産業用地としての活用に向け、被災跡地で進む敷地造成工事=末崎町小河原地区

 大船渡市は、東日本大震災で被災した末崎町小河原地区(大田地内)で産業用地(敷地面積3・2㌶)の敷地造成工事に取り組んでいる。被災跡地を産業用地として活用するのは市として初めてで、㈱いわて銀河農園(橋本幸之輔代表取締役社長、紫波町)が県内初の生産技術高度化施設を整備し、トマトの栽培と出荷を計画。用地内では廃止道路などの撤去や土砂の敷きならしが行われており、同社が10月に予定する施設着工に向けて着々と作業を進めている。

 

被災跡地の造成着々と

 市は津波で被災し、災害危険区域指定した地区のうち、防災集団移転促進事業(防集)による買取地が相当規模で発生するなど、被災跡地の利用検討が必要な12地区で土地利用計画を策定。被災跡地の有効活用に向けた取り組みを進めている。
 小河原地区では、市と地域が協働で被災跡地の利用について検討。企業誘致に向けた産業用地として利用することとし、いわて銀河農園の立地が決まった。
 市が買い取った被災跡地に市の誘致企業が立地するのは、これが初めて。5月には市といわて銀河農園が企業立地協定を結び、来春の操業開始を目指して準備が進んでいる。
 産業用地の面積は約3・2㌶。市が敷地造成を行ったあと、同社へ貸し出す。同社では、トマト栽培棟と集出荷施設棟(管理棟も含む)からなる生産技術高度化施設(施設面積約1・5㌶)を建設し、通年によるトマトの生産と出荷を行う。
 造成工事は7月27日に契約し、翌28日に始まった。事業費は8107万円で、㈱中澤組が施工を担当している。
 かつては住宅団地として民家が立ち並び、都市公園などもあった産業用地内。被災後は、防集工事による土砂の仮置き場に利用されていた。
 造成では、廃止した道路のアスファルトや側溝などのがれきを撤去し、土砂の敷きならしを展開。T・P(東京湾平均海面)7㍍の高さに造成し、最後に用地周辺における雨水排水施設工事を行う。工事は12月23日までを予定する。
 市災害復興局土地利用課によると、工事はすでに、がれき撤去が8割終了。盆過ぎからは土砂の敷きならしも本格化し、3割まで進んだ。現時点では予定通りの進ちょく状況という。
 同社では10月から施設建設に着工する予定で、市はこれに間に合わせるべく、今月末までに土砂の敷きならしを終える計画。整備区域を二つに分け、一方を先行して作業を進めるなど、雨天で造成、施設建設に影響が及ばないための対策も図っている。
 施設整備後、操業開始は平成30年4月の見込み。生産技術高度化施設は、24時間体制で温度や湿度、日射量、二酸化炭素濃度を管理できるという。
 従業員は正社員やパートなど地元からも含む約30人を雇用し、最終的に50人まで拡大する計画。トマト栽培、出荷を通じた市内の農業振興、新たな雇用創出の場としても期待がかかる。
 産業用地山側の後背地では、市道の新設工事も実施中。造成工事と合わせ、現場周辺では大型車両などが往来しているほか、施工箇所は立ち入り不可になっていることから、市では周辺を通行するドライバーらに注意と理解を呼びかけている。