秋の味覚に笑顔あふれる、〝新物〟提供で活気創出/住田町の観光施設で「まつり」盛況(別写真あり)

▲ 新米を手に笑顔があふれた「秋の味覚まつり」=滝観洞

 収穫したての新米を釜炊き/滝観洞

 

 住田町上有住の滝観洞観光センターによる「滝観洞 秋の味覚まつり」は24日、同センター周辺で開かれた。収穫したばかりの新米などを屋外で振る舞い、活気を呼び込んだ。
 滝観洞内「天の岩戸の滝」は落差が29㍍と、洞内滝として日本一を誇る。同センターではこうした名所だけでなく、秋の恵みも楽しんでもらおうと、毎年この時期に味覚まつりを開催している。
 目玉企画の一つが、昔ながらの釜で炊きあげた新米を無料で振る舞う「新米食べ放題」。23日に地元の五葉地区で収穫された「あきたこまち」を確保し、乾燥、脱穀も間に合わせた。
 観光センター関係者がまきをくべながら炊き、香ばしさにあふれた湯気が広がった。ふたを開けると、つややかな米がお目見えし、無料で振る舞った。
 洞内につながる「風恋橋」付近での提供とあって、探検に出発する前に腹ごしらえをする姿も。新米ならではのみずみずしさを堪能した来訪者からは、笑みがこぼれていた。
 有住保育園年中の藤井心音ちゃん(5)は「おいしくて、甘かった」と話していた。
 新米だけでなく、屋外に設けた特設テントではジンギスカン焼きも好評。屋台コーナーでは切り込みを入れたジャガイモを揚げた「トルネードポテト」が人気を集めたほか、滝観洞名物の「滝流しそば」もにぎわいに包まれた。

 

 リンゴ「さんさ」が人気集める/種山

 

好評を博したリンゴの販売=道の駅種山ケ原ぽらん

 すみた種山ケ原直売組合と住田観光開発㈱による「秋の種山・屋台まつり」は同日、世田米の道の駅種山ケ原ぽらんで開かれた。種山周辺で採れたリンゴや野菜、手づくりの加工品などがズラリと並び、好評を博した。
 農産物や手づくり品などを屋外に設けたテント下に陳列し、出店者や来訪者が交流を深めることで活気を生み出そうと企画。好天に恵まれ、開幕直後から町内外の住民が続々と詰めかけた。
 収穫されたばかりの江刺産リンゴは試食ができ、さわやかな甘さや食感で歓迎。比較的小玉ながら甘さと酸味のバランスがとれた「さんさ」は、1袋500円で300袋用意し、完売となった。
 家族と訪れた江刺東中2年の菊池みずきさん(14)は「これから遊びに行く友達の家にプレゼントしようと買った。試食したら、とてもおいしかった」と話していた。
 野菜や果物に加え、川魚焼きコーナーにはイワナが並び、塩焼きの香ばしさに誘われた来訪者が足を止めて次々と購入。地元の畜産品を使ったフランクフルトや豚汁の販売もあり、訪れた人々は多彩な秋の味覚を楽しんでいた。