区割り改定後初の総選挙へ、衆議院が解散

 衆議院は28日正午から開かれた本会議で解散し、総選挙が「10月10日(火)公示、同22日(日)投開票」の日程で行われることが決まった。「1票の格差」是正に向けた小選挙区の区割り改定後は初の総選挙で、気仙2市1町を含み本州最大の面積となった岩手2区には、自民党現職と民進党元職の2人が立候補を予定。小池新党「希望の党」を軸とした野党再編の動きなどに流動的要素をはらみながら、政権選択をかけた選挙戦は事実上のスタートを迎えた。

 

来月10日公示、22日投開票

 

 今月中旬になって突如吹き始めた解散風。安倍晋三首相は25日の会見で、28日招集の臨時国会で解散へ踏み切る方針を正式に表明。再来年秋に予定する消費税率10%への引き上げで5兆円とされる増収分の使途を見直し全世代型の社会保障を手厚くすること、ミサイル発射を続ける北朝鮮への外交的圧力強化などについて国民の信を問う考えを示し、「国難突破解散」と位置付けた。
 迎えた28日正午からの本会議冒頭、大島理森議長が「日本国憲法第七条により衆議院を解散する」と解散詔書を読み上げ、わずか4分ほどで閉会。その後の臨時閣議で、選挙日程はかねての予定通り来月10日公示、22日投開票に決定された。
 総選挙は平成26年12月以来。小選挙区の区割り改定を受け、小選挙区は従前の295議席から6減って289議席に、比例代表は180議席から4減って176議席となる。
 県内の小選挙区は従前の4から3に減り、気仙2市1町や一関市などで構成していた旧3区は、気仙含む沿岸一帯と県北などとの新2区、一関、奥州、北上などの新3区として再編。
 旧3区を地盤としてきた陸前高田市出身で民進党の現職・黄川田徹氏(63)=6期=は28日までに、今季限りで勇退する意向を明らかにした。大船渡市出身で自民党の橋本英教氏(50)=比例東北2期=は、前回、前々回と小選挙区で黄川田氏に敗れており、今回は選挙区ではなく比例で挑戦することがこれまでに決まっている。
 現段階で、新2区での立候補が見込まれるのは、自民党8期目の現職で五輪担当大臣の鈴木俊一氏(64)=山田町=と、民進、共産、自由、社民の各党が、統一候補として擁立予定の民進党県第2区総支部長で元衆院議員の畑浩治氏(54)=久慈市=の2人。それぞれ、新しい地盤となった気仙で、ポスター掲示やあいさつまわりなどを進めている。2区は本州一の面積の選挙区。地域課題の様相も異なり、選挙運動のあり方も注目を集めそうだ。
 こうした中、小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」設立が27日に発表され、民進党の前原誠司代表がこの新党への合流を目指すともとれる意向を示すなど、次期選挙をめぐる中央政界の情勢はめまぐるしく変動。本県の野党共闘の流れにどのような影響を及ぼすかなど、不安定要素を抱えながら事実上の選挙戦に入った。