つながり深め地域を元気に、女性起業者等交流ネットワーク「けせん女志会」発足/大船渡市
平成29年9月30日付 7面

大船渡市の女性起業者等交流ネットワーク「けせん女志会」は28日夜、大船渡町のキャッセン・モール&パティオコミュニティスペースで初回の交流会が開かれた。同会は、市内の女性起業者有志らが発足させたもので、職種を超えた事業主や起業を考える女性たちが参加。この日は趣旨説明やセミナー、情報交換などが行われ、女性ならではの力を生かしながらつながりを深め、地域を楽しく、元気にしていこうと誓い合った。
けせん女志会は、「起業者や会社の経営者、地域で頑張る女性たちが〝気軽に〟〝楽しく〟交流しながら、女性同士のつながりを広げていければ、〝このまちはもっと楽しくなる〟」との思いを起点に発足。市主催の起業家向けセミナー、経営塾などに参加した女性有志5人が、今春から市や岩手銀行のサポートを受けながら準備を進めてきた。
初会合には、市内を中心に経営者や今後起業を予定する女性ら19人が参加。会では代表者を決めず、持ち回りで決めた幹事が各会合を運営する。
今回は、江刺由紀子さん(NPO法人おはなしころりん理事長)と新沼真弓さん(乾燥フルーツComeCome代表)が幹事を担当。江刺さんは「新しいものを形づくる過程を楽しみ、その先に面白いものが待っているかもしれないと考えると将来に希望が感じられる。けせん女志会は産声を上げたばかり。大事に大事に育てていきたい」とあいさつし、設立までの経緯や運営方法、ルールを説明した。
戸田公明市長は会の発足を喜び、地域産業振興などへの貢献に期待を込めながらあいさつ。メーンの特別セミナーでは、盛岡市のほとり企画店長・佐々木朋乃さんが「仲間づくりからの復活物語」と題して講演した。
ほとり企画は平成26年、佐々木さんが母と2人で設立。コミュニティカフェの運営からスタートしたが、経営のあり方などを見直し、今年7月にカフェを無期限休業として宅配弁当やケータリングを手がけている。
佐々木さんは会社設立の経緯や1、2年目における経営面での失敗などを示し、カフェから現在の事業に切り替えたときの決断、事業主としてのあり方などを説明。「地域や県、国などの全てが支えてくれて、いまのほとり企画がある。目的を持つと女性は強い。モデルケースとなるような会社にできれば」と語った。
名刺交換の時間も設けられ、参加者らはすぐに打ち解け合い、新たなつながりを構築。職種を超えた情報交換も図っていた。会合は3、4カ月に1回のペースで計画し、次回は来年1月を予定する。
発足準備からかかわってきた江刺さんは「初めての試みだったが、女性ならではのコミュニケーション能力が高く、今後への可能性が感じられた。結束の強さを発揮し、つながりを広めて自らの事業や精神面、経済面へプラスになれば」と今後の展開に意欲をみせていた。